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国際日本学部

山脇ゼミが横浜市立上飯田小学校の児童を対象にワークショップをオンラインで行いました

2023年11月20日
明治大学 国際日本学部

「多文化共生のまちづくり」をテーマに活動する山脇啓造ゼミは、2023年11月1日に横浜市立上飯田小学校6年生の2クラスあわせて約70名の児童を対象に「マイクロアグレッション」をテーマとしたワークショップをオンラインで開催しました。

「マイクロアグレッション」は、特定の属性を持った人に対する何気ない日常の中での否定的な言動を指します。

ワークショップの目的は、身近に隠れているマイクロアグレッションへの理解を深め、行動を変えるきっかけを作ることでした。前半はアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)とマイクロアグレッションの概要について紹介しました。その際、アンコンシャスバイアスは「アンコン」、マイクロアグレッションは「マイアグ」と縮めて呼ぶことにしました。後半は子どもたちは5人一組のグループに分かれて、かるたを使ってゲーム形式でマイクロアグレッションの具体的事例について考えました。

ワークショップ後のアンケートでは、「楽しく学べたか」という質問に、83%の児童が「とても楽しかった」、11%の児童が「楽しかった」と答えました。また、「マイクロアグレッションについて理解できたか」との質問にも、74%が「よく理解できた」、17%が「理解できた」と答えました。

【参加した児童の感想】
▼薄々感じていたけど、やはり自分の勝手の思い込みは、相手にとって凶器になることがあり、言葉遣いには注意しなければいけないことがたくさんわかりました。また、カルタでその例を出してくれたので、さまざまな場面で活かすことができると思います。無意識で人を傷つける前に対策を取っておきたいと思いました。
▼私はマイアグを無意識にしてしまっていたり、アンコンは誰もが思うことだということがわかりました。マイアグの具体例のカルタを通して、マイアグをされたらどういう気持ちになるのかという事を学びました。この学習で人それぞれの特徴を大切にしようと思いました。
▼今日は、アンコン・マイアグについて話を聞きました。自分は無意識に偏見で話してしまうことがあったと、話を聞いて思いました。相手の気持ちも考えずに自分の思い込みで話してしまうことは、相手を知らないところで傷つけてしまっているとわかりました。なので、これからは相手の気持ちを考えながら話していきたいです。
▼僕は無意識にマイアグをしてしまうことが自分にはよくあるんだなーとこの学習で学びました。ちっちゃいからバスケはできないだろーといってしまったり、女子なのにそんな食べるんだーとか言ってしまったりすることがありました。文化や性別が違くても同じ人だということを意識して生活していきたいです。
▼今日は、かるたをやって楽しめたし、これもダメなんだと思って、すごく勉強になりました。自分も言ったことあるし、言われたこともあります。つい無意識にやっていて、そんなこと考えもしなかったけど、この学習を通して、これからは言わないように気を付けたり、言ってる人がいたら注意します。
▼今日はアンコンとマイアグについてお話を聞きました。無意識に友達を傷つけてしまうことを知りました。例えば、「英語喋って!」や「はし持てるのすごいね!」などをカルタで知れたのでよかったです。そしてこの授業で友達が考えていることなどを尊重したり、考えて行動したりして友達と付き合ってみたいと思いました。
▼今日はカルタのゲームを通して、アンコンシャスバイアスやマイクロアグレッションについて知ることができました。無意識のうちに偏見や差別的な発言をしてしまうことがあるとわかりました。自分はいい意味で言ったとしても、相手の受け取り方によってはとても傷つく言い方になってしまうかもしれないから、気をつけて過ごしたいと思いました。▼自分はマイアグやアンコンについて知っていなかったけど、知らず知らずのうちに小さな攻撃をしていることがわかりました。そのことについてカルタを通して知れたので良かったです。
▼僕は友達に「4歳までアメリカにいたのに英語喋れないの」といったことがありました。この授業をして、そう言う言葉は人を傷つけるかもしれないからいってはいけないんだと知りました。楽しく学べたのでよかったです。
▼僕も外国人の人や女性に多少の偏見をしていました。例えば外国人の人に英語喋ってほしいな〜とか 女の子なのになんで僕っていうんだろとか、でも、この授業を受けて改めてやめようと思いました。

【ゼミ生のコメント】
▼私たちは、マイクロアグレッションという大人でも理解が難しいテーマについて、多くの人に理解してもらうためにはどうすればいいかと考え続けてきました。そして、若者からお年寄りまで理解を広げるために、カルタという親しみやすいゲームを考案しました。ワークショップでは、小学生が楽しみながら学んでくれている姿を見ることができ、とても嬉しかったです。また、マイクロアグレッションについて理解してくれていることがアンケートでわかったので、今後も継続してワークショップを行っていきたいです。(稲葉紗也音)
▼マイクロアグレッションを全ての世代に広げたいという目標を掲げたものの、まだまだこれから知識をつけていく世代の小学生に、分かりやすく教える方法を考案することが最も難しかったです。しかし、長期に渡る試行錯誤の結果生み出したマイクロアグレッションカルタを、小学生のみなさんが楽しんでくれて、学習に役立ててくれているのを見ることができ、またカルタを用いて新たなワークショップを開催することへの自信につながりました。(小沼明日香)
▼マイクロアグレッションという馴染みのない概念を少しでも多くの人に知ってもらうことで、傷つく人が減る社会を目指そう、ということで今回は小学生を対象としたワークショップを行いました。3年生だけで行ったワークショップは初めてであり、不安なことも多かったのですが、小学生からたくさんの良い反応をいただけたことで自信に繋がりました。馴染みのない言葉であるからこそ、小学生への説明は特に悩みました。ですが、ワークショップ後のアンケートで多くの小学生からわかりやすかった、楽しかったなどの声をいただけたので、今後もより多くのワークショップを開催できれば良いなと感じました。(佐山奈那、副ゼミ長)
▼今回のワークショップは、私たち三年生にとって特別な挑戦でした。初の主催プロジェクトで、しかも新しいテーマであるマイクロアグレッションに取り組みました。準備段階では、テーマの奥深さを理解し、同時に小学生にも分かりやすいようにオリジナルカルタを作り上げることが大変でした。しかし、参加者からのアンケートで得た良いフィードバックが、これまでの努力が報われた瞬間でした。これからもこの貴重な経験を生かし、新たなイベントやプロジェクトに挑戦していきたいと思います。(ソンスヨン)
▼私にとって今回のワークショップは、三年生だけで行った初めてのワークショップでした。また、テーマも既存のテーマではなく、マイクロアグレッションという新たなテーマのワークショップであったため、事前準備も一から全て自分たちで行いました。その中でも特に大変だったのがオリジナルカルタの作成です。小学生にも分かりやすい内容にするため工夫を凝らしました。実際に事後アンケートで良い意見をたくさんいただき、達成感を感じています。今後も多くの場所でこのワークショップを行っていければ良いなと思っています。(千葉亮伍、ゼミ長)
▼私たちはマイクロアグレッション、すなわち無意識の偏見から生まれてしまう言動についての認知を広めることを目標として半年間活動してきました。今回小学生へのワークショップということで、こうした難しい内容をどう分かりやすく伝えていくべきか悩みました。最終的にカルタを用いて楽しみながら学んでもらうという手段を取った事で、小学生にとっても身近な問題であるということが上手く伝えられたのではないかなと感じています。また、加えてワークショップ内でマイクロアグレッションを「マイアグ」、アンコンシャスバイアスを「アンコン」と呼びやすい名称で伝える工夫をしました。このことにより事後アンケートでも沢山書いて頂けるほど、印象づけることができたのではないかと感じています。(藤井 美吹)

山脇ゼミが上飯田小学校でワークショップを行うのは今回で3回目です。1回目は2022年10月で、教職員を対象としたやさしい日本語のワークショップを行いました。2回目は2023年1月で、6年生の児童を対象にアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)をテーマとしたワークショップを行いました。実は、上飯田小学校は山脇教授の母校であり、山脇教授は2022年4月と8月に多文化共生や、やさしい日本語について同校や近隣校の教職員を対象とした講演も行いました。こうした山脇ゼミの活動は、上飯田小学校の「学校だより」でも2回紹介されました。
(*上飯田小学校「学校だより」2022年10月号2023年2月号

この記事に関連するページ
▼「山脇ゼミが横浜市立上飯田小学校の教職員を対象にやさしい日本語ワークショップを実施しました」(2022年10月)
https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/mkmht0000001qn28.html
▼「山脇ゼミが横浜市立上飯田小学校の児童を対象にワークショップをオンラインで行いました」(2023年1月)
https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/mkmht00000028suy.html