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商学部

明治大学商学部×FAAP大学(ブラジル) 第4回ビデオカンファレンス実施報告

2011年06月20日
明治大学

カンファレンスにむけての最終確認をする商学部生カンファレンスにむけての最終確認をする商学部生

スクリーンに映るFAAPの学生たちスクリーンに映るFAAPの学生たち

スクリーンを見つめる商学部生スクリーンを見つめる商学部生

スクリーン越しに対面する日伯の学生たちスクリーン越しに対面する日伯の学生たち

商学部特別テーマ実践科目C「Joint Study with Brazilian Students for Mutual Understanding of Cultural Difference and Social and Economic Development of Latin America(略称、Joint Study)」(担当:中林真理子教授、六浦吾朗特別招聘教授)の受講生7名が、2011年6月13日(月)に明治大学の海外協定校であるブラジル サンパウロ市の名門私立大学FAAP(Fundacao Armando Alvares Penteado  http://www.faap.br/english/)の経済学部生20名と学生同士の英語によるビデオカンファレンスを行いました。

本科目は2010年度までは、特別テーマ実践科目C,D「ラテンアメリカの開発支援とボランティア」として設置していた科目の前半部分に当たります。特定のテーマについて、ブラジルの大学生とビデオカンファレンス等を通じて交流しながら研究し、最終的に日伯共同の成果物としてペーパーを作成します。

過去3回のカンファレンスで得た経験を活かし、よりスムーズに双方向のコミュニケーションが実現できるよう、日本の学生が特定のテーマについてプレゼンテーションを行い、それをもとに日伯でディスカッションを展開するという形式にしました。また、カンファレンス当日までの準備として、明大生がFacebookにBeleza! Joint Studyというグループを立ち上げ、これにFAAP生が加わり交流を始めました。そして、カンファレンス終了後も日伯合計30名の学生がこのグループでの交流を続けています。

今回はCultureとBusiness & Economyという2つのテーマを設定し、日本のファッションやアイドル、エコビジネスといったものを紹介しました。さらに、3月11日の東日本大震災直後に、FAAPのGeorges Landau教授から中林教授と六浦特別招聘教授宛てのお見舞いのメールの中で紹介された「10 things learning from Japan(震災後の日本人の行動を賞賛する10項目)」をもとに、「何故日本人は秩序正しいのか」ということを日本人の全体主義に関連付けながら説明し議論しました。

午後7時30分(ブラジルでは同日午前7時30分)のカンファレンス開始時は10分近くブラジル側の音声が日本に届かず続行が危ぶまれました。しかし、日伯双方の学生たちが機転を利かせ、映像やemailで連絡を取り合い乗り切ることができました。そして、プレゼン開始後も双方で反応を確かめ合いながら議論を深めていきました。ファッションについて説明する際にはプレゼンファイルに加え、お互い自分の洋服やサンダルなどを見せながら、映像を最大限に活かした交流を続けました。

最後はFAAP経済学部長Luiz Alberto Machado教授から、このカンファレンスがすでに明治とFAAP双方で恒例行事として定着し今後も継続していくこと、そして、今年11月に明治大学で開催予定の国際シンポジウムに、ビデオカンファレンスのFAAP側の責任者であるHelio Michelini Pellaes Neto教授とFAAPの学生数名を派遣することが発表されました。


カンファレンスから2日後の授業で行った反省会では、受講生から以下のような感想が寄せられました。
・会話重視で双方向のコミュニケーションが成立したことが収穫だった。
・英語を学ぶことの重要性を再認識した。
・自国の文化について知らない相手に説明すること難しさを感じた。
・技術的な問題で仕方ないものの、相手のレスポンスに微妙な時差が生じ、少々苦労した。
 

そして次回のカンファレンスに向けてさまざま有意義な提案がありました。
・日伯双方の時間配分について、カンファレンス開始前によりしっかり意思疎通を図る。
・次回はFAAP側からプレゼンテーションをしてもらう。
・Facebookやミエ・ログをさらに活用して、事前の情報共有(特にプレゼンファイルの共有)を徹底する
・日伯双方に共通認識のあるテーマを選ぶ。
・より専門的なテーマにチャレンジする。
また、明大生のコミュニケーション能力が回を重ねるごとに飛躍的に向上していることを裏付けるように、「自己満足のカンファレンスにしないようにする」といった意見もありました。これは、毎回このカンファレンスに立ち会ってくださる明治大学商学部の横井勝彦学部長、高橋早代特任教授とそのゼミ生、去年の受講生といった聴衆に感謝し、カンファレンスを楽しんでもらえるように配慮したいという気持ちの表れといえます。


東京とサンパウロの時差は12時間で、季節は逆です。全く違う環境に暮らす日伯の学生たちですが、異文化交流が確実に進展していることを感じました。このことは、本科目の学習目標である「ラテンアメリカにおける開発支援のあり方について考察する能力を形成する」ことにつながる成果であり、明治大学における新しい形での国際交流の一つのモデルが確立しつつあると言えるでしょう。第4回目のカンファレンスが実現できたことは、明治大学とFAAP、日本とブラジル、さらにはラテンアメリカ諸国との相互理解につながる活動を展開するためのネットワークをさらなる強化につながっています。最後になりますが、今回もメディア支援事務室とサポートデスクの協力を得て本格的な機材を使用でき、快適な交流ができました。この場を借りて御礼申し上げます。