理工学研究科電気工学専攻博士後期課程3年洞井裕介氏(
井家上研究室)が、電子情報通信学会和文論文誌B平成28年2月号で学生優秀論文賞を受賞しました。
受賞対象となった論文は、「
時変動チャネルにおけるMIMO固有モード伝送のフィードバック
遅延による通信性能劣化をチャネル予測せずに改善する手法」です。
本発表論文では、
近年の高速無線LANの必須技術であるMIMO(
multiple-Input multiple-output)システムにおいて、その通信性能向上効果が最も大きい手法の一つである固有モード伝
送に着目しています。
時間的に変化する無線空間でMIMO固有モード伝送を行う場合、受信側の受信状態(
チャネル情報)を送信側にフィードバックし、伝送遅延のため変化するチャネル情報を予測した後に送信重み付けを行
うのがこれまでの手法でしたが、適切な重み付けとならず通信性能が劣化するという問題がありました。
この論文では通信性能の劣化原因を考察し、敢えてチャネル予測を行わず重み付けの計算を行うことを提案し、
通信性能劣化が改善できることを示しており大変ユニークなものです。