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食料生産と環境保全



農学科は、自然と調和を保った高度文明社会を実現させるために「食料」と「環境」の分野で格段の貢献をすることを使命としています。本学科は、一般教育に裏付けられた知的基盤の上に確固とした倫理観・世界観を築いて俯瞰的・長期的視点から物事を洞察することができるよう、また、農学全般において問題点を発見し、それを解決する能力を効果的に身につけられるよう、系統的かつ幅広いカリキュラムと研究領域を設けています。本学科は、新農業資源の開発や水・土地資源を生かした食料の安定生産および農村と都市の環境保全や緑の保全・創生などに関する最新の科学技術を身につけて地域や国際社会で活躍できる人材を養成することを目的としています

カリキュラムの概要



農学科では、人口増などの社会情勢や地球温暖化などの環境変化に対応した持続的な食料生産や環境保全を行うための知識や技術を総合的に身につけることを目標とし、「食料生産」と「環境」を大きなキーワードとして教育を行っており、「食糧生産・環境コース」および「総合農学コース」の 2 つのコースを設定し、学生の学習目標にしたがって 3 年次よりどちらかのコースに所属して学習することになります。
学習にある程度の方向性をもたせるために、2つの履修モデルが設けられています。並行する他の履修モデルの科目を選択し、幅広い知識を身につけることも可能です。

(1)食糧生産履修モデル

食糧生産を中心課題として、農作物、園芸作物、生産動物などの生理・生態、育成・保護・管理、育種、繁殖、生産システムなどの知識を学び、これらの作物や動物の栽培・保護・飼育技術の基礎を修得します。また、食糧生産の基盤としての土地および水資源の利活用に関する知識と技術も修得し、将来の食糧問題と地球環境変化への対応に取組みます。
(2)環境履修モデル
森林・農業・都市地域をエコロジカルに、アメニティ(快適性)空間として捉え、生物多様性の保全と人間活動との調和を目指す環境、空間整備および緑化の方法を学びます。また、身近な生活空間としての街路、都市空間、郊外園地、里山などの観察・解析方法、設計などを修得します。地域環境保全のための知識と技術も修得します。

インフォメーション

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教員情報
卒業生の活躍
大学院

TOPICS

生産現場で実現できる環境制御による新栽培法の開発

植物工場の閉鎖型システムを使った水耕栽培 生田キャンパス北圃場「採りっきり栽培」

資源循環型社会の構築には、植物残渣など未利用部位の有効な利用法の開発が求められます。なかでもアスパラガスは未利用部位の産出量が多く、その処理は世界的にも急務の課題です。「野菜園芸学研究室」では、代表的な機能性成分であるルチンとプロトディオシンを解析し、前者は褐色根や擬葉に、後者は鱗芽などの地下部に多く、露地と植物工場の栽培研究の比較から環境制御により両成分の含有量を増減でき、ルチンに生育阻害物質の可能性があることを明らかにしました。そこで、明治大学が開発した世界初の画期的な栽培法である1年養成株全収穫栽培法「採りっきり栽培」を用い、露地と水耕で環境制御しながら栽培し、成長と両成分の含有量との関係を明します。世界規模の問題であるアスパラガスの連作障害の回避と、現在廃棄物である未利用部位の新たな利用価値の創出の実現のため、生産現場で実現できる環境制御による新栽培法の開発を目指します。(元木 悟教授/野菜園芸学研究室)

教員からのメッセージ

産業の一つとしての農業の現状と未来を学ぶ

皆様にとって「農業」とは何でしょうか。農業は野菜や果物を作る仕事とお考えの方が多いと思います。もう少し視野を広げて考えるならば農業とは社会を構成する大きな産業の一つです。そこには農作物を生産することによって収益を上げるという大前提があります。しかし、そのために例えばエネルギーを浪費したり、環境を破壊したりしてもよいというわけではありません。農業という産業をどのように効率化して人類と社会に役立て、環境と調和させていくか、様々な考え方・手段を基礎から応用まで幅広く学べ、研究できるのが農学科です。農業・農学とは何か、社会、環境、そして、未来を見据えて一緒に考え発展させていきましょう。(池田 敬教授/生産システム学研究室)

DATAでわかる農学科