分裂酵母のある遺伝子を過剰発現させると形態異常(左)や細胞小器官の損傷(右)が引き起こされます。
正常細胞に近い形に回復します。このような手法で新規機能遺伝子の探索と機能解明を行います。
酵母は発酵食品製造などに用いられ人間生活に欠かせない微生物であるとともに、ヒトと同じ真核細胞からなり単細胞性で細胞周期が短く実験操作が容易であることなどから真核生物のモデル生物として大変優れた微生物です。私たちは新たな遺伝資源として注目されている海洋酵母を利用して健康の維持・増進に資する機能性物質の探索と機能解析を行うとともに、その物質分解能力を利用した環境汚染物質の分解に関する研究を行っています。一方ゲノム配列解読の結果、全ORF約5千のうち43%がイントロンを持ち、ヒトと共通の遺伝子をたくさん持つことが明らかにされた分裂酵母について新規機能遺伝子の探索と機能解明を行っています。これらの研究を通して高齢社会における生活の質の向上、地球環境保護、また標的を定めた創薬の基盤作りに貢献したいと考えています。(浜本 牧子 教授)