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学部長メッセージ

学部長メッセージ

 農学とは、人間が生きるために欠かすことのできない農業を対象とする学問です。その農業は、農産物生産だけでなく医薬品や健康食品、環境問題など、私たちの暮らしを支える衣食住すべてに関係しています。「農業をするわけではないのに、なぜ農学部に入るの?」と疑問をもつ人がいるかもしれませんが、農学部とは、現場で農業を担う人の育成だけを目的とした学部ではありません。生物学や化学、物理学などの自然科学、経済学や社会学などの社会科学、人文科学などの諸科学を駆使し,私たち人間と動植物、微生物、あらゆる「いのち」に関わることを総合的に教育・研究しています。農業が関わるものは、動植物や微生物の生命活動から生み出されるものであり、それゆえに農学に携わる私たちは「いのち」への感謝と謙虚さをもつ必要があります。
 このように「いのち」に学生・教員一人ひとりが向き合う明治大学農学部は、バランスのとれた4 学科と総合科目群で構成されています。生産現場での技術的な合理性や可能性、人間を含む生物の生存環境について考究する農学科。農畜産物の機能や有用性を高め、化学的な知識から農業生産環境を研究する農芸化学科。動植物、微生物の生命としての可能性を追求する生命科学科。産業や生活、地域として農業をとらえることで、実際の生産・流通・消費の仕組みをグローバルかつローカルな視点で考える食料環境政策学科。そして,学部横断的に学ぶ総合科目群には,語学,体育・教養科目,農場実習などが含まれます。
 温暖化による地球環境の変化,人口増加による食糧不足の懸念などから、農学への期待はこれまで以上に高まっています。「いのち」に国境はなく、明治大学農学部での研究成果は、地球規模の持続的な社会の実現に貢献しています。皆さんが、農業の可能性を追求し、現場に出向き、そこで採れたものをさらに豊かにし、うまく分配する…農業界の縮図のような環境での学びを通して、「いのち」と向き合い,人として成長されることを願っています。
 

農学部長 竹本田持

農学部長 竹本 田持