農芸化学科食品機能化学研究室(石丸喜朗准教授)らの研究がScientific Reports volume 8, Article number: 11796 (2018) に掲載されました。論文名は「Positive/Negative Allosteric Modulation Switching in an Umami Taste Receptor (T1R1/T1R3) by a Natural Flavor Compound, Methional」です。
当研究室の戸田安香研究員(日本学術振興会特別研究員PD)らは,天然香気成分メチオナールに、旨味受容体(T1R1/T1R3)の活性調節能が存在することを明らかにしました。メチオナールの作用部位はT1R1サブユニットの膜貫通領域内に複数存在し、その作用様式の違いにより、ヒト旨味受容体においては活性増強を、マウス旨味受容体においては逆に活性抑制を引き起こすことが示されました。メチオナールはアミノ酸から作られる物質であり、醤油・チーズ・トマトなど、日常用いられる食材・調味料中にも、主要な香気成分として含有されています。つまり、世界各国で用いられている食材には、ヒトに対する旨味増強成分が共通して含まれており、知らず知らずのうちに「食のおいしさ」に貢献していることが、今回の成果から明らかになりました。
また共同研究先の東京大学大学院農学生命科学研究科研究発表にて詳細を
確認いただけます。下記URLよりご覧ください。
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2018/20180824-1.html