Go Forward

農学部

【生命科学科】陳佳旭さん(動物生理学研究室 4年)が第27回日本時間生物学会学術大会(オンライン開催) において優秀ポスター賞を受賞しました

2020年10月22日
明治大学 農学部事務室

受賞した陳佳旭さん受賞した陳佳旭さん

賞状賞状

 2020年9月26日(土)から27日(日)に行われた第27回日本時間生物学会学術大会(オンライン開催)において、生命科学科4年の陳佳旭さん(動物生理学研究室 )が優秀ポスター賞を受賞しました。
 
この賞は、第27回日本時間生物学会学術大会において発表された78のポスター発表演題の中から優秀な発表(9演題)に対して授与されたものです。
 受賞発表タイトル及び研究内容は以下の通りです。
 
受賞発表タイトル:Roles of GABA in Suprachiasmatic AVP Neurons on Female Reproductive Functions
(日本語タイトル:雌性生殖機能における AVP ニューロンの GABA の役割)
 
研究内容:
雌性動物の生殖機能にとって重要な排卵は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH サージ)から引き続く黄体形成ホルモンの一過性分泌(LH サージ)により誘発される。またこのLHサージは概日時計中枢である脳・視床下部・視交叉上核が関与しているということが知られている。しかし、視交叉上核のどのタイプの神経細胞(ニューロン)がこの排卵機構に関与しているかはまだ明らかにされていない。本研究では、視交叉上核内に存在するバゾプレッシン(AVP)ニューロンに着目し検討を行った。AVPニューロン特異的に小胞GABAトランスポーター(Vgat)を欠損させたマウスを作成し、野生型と比較した結果、輪回し活動に表出する性周期の回帰が認められず、妊娠率の減少が観察された。また、光遺伝学的手法を用いて、AVPニューロンを特異的にある時間帯だけその神経活動を抑制すると、通常4日間で回帰する性周期が乱れた。これらの結果は、LH サージをはじめとする雌性生殖機能に 視交叉上核内のAVP ニューロンが重要な役割を果たしていることを示唆している。この研究は雌性動物の生殖機能と体内時計の関係を明らかにする重要な基礎研究であり、家畜生産や不妊症メカニズムの解明に寄与するものである。