Go Forward

農学部

【農学研究科生命科学専攻修士2年】生田実久さんが令和2年度日本植物病理学会関東部会(オンライン開催)で学生優秀発表賞を受賞しました

2020年11月11日
明治大学 農学部事務室

受賞した生田実久さん(生命科学専攻修士2年)受賞した生田実久さん(生命科学専攻修士2年)

 2020年9月26日から27日に行われた日本植物病理学会関東部会(オンライン開催:オンデマンド形式の e ポスター配信とチャット形式の質疑応答 )において大学院生命科学専攻修士2年の生田実久さん(植物細胞工学研究室)が学生優秀発表賞を受賞しました。
この賞は学生が発表した19演題の中から優秀な発表(4演題)として選ばれて受賞したものです。
発表演題は「ゲノム編集により eIF4E1 遺伝子を破壊したタバコの Potato virus Y(PVY)抵抗性 について」です。
 

研究内容:ジャガイモ Yウイルス(PVY)に対するタバコの劣性抵抗性遺伝子vaは、タバコゲノム中に6種類ある真核翻訳開始因子eIF4E遺伝子中のeIF4E1遺伝子(Nicotiana sylvestris由来)に起因することが明らかにされている。そこで当研究室で作製した菌類用CRISPR/Cas9システムを改良した植物用ベクターを用いてタバコeIF4E1遺伝子の第1エキソン内を標的にガイドRNAを設定し、タバコを形質転換した。形質転換カルスから個体を再生して得たT2タバコから、両アレルともにフレームシフト変異により、本来全長219アミノ酸であるeIF4E1の35番目のアミノ酸残基のコドンが終止コドンとなったノックアウト固定系統が得られた。 PVY-Tの接種実験を行ったところ、ノックアウトタバコでは野生型タバコと比較して、病徴発現が著しく遅延した個体が多いことから抵抗性の付与に成功した。しかし、一部の個体では接種約10日後には上位葉に壊疽斑点などを示し、病徴を示した葉からはPVY-Tが検出された。上位葉から分離されたPVY-TをRT-PCRにより解析したところ、VPg遺伝子内に変異が認められ、PVY-Tから抵抗性を打破するウイルス系統が出現することが明らかとなった。