2022年7月に開催された第57回地盤工学研究発表会(発表件数:831題)において農学研究科農芸化学専攻修士1年の吉田悠人さん、農学部農芸化学科4年の沼尻響さん(いずれも土壌圏科学研究室)が優秀論文発表者賞をW受賞しました。
◆題目: 乾湿繰返しによる掘削頁岩のヒ素収着特性の変化(吉田悠人)
トンネル工事などから発生する岩・土砂(以下、掘削土砂)から土壌環境基準を超える重金属類の溶出がみられることがあります。本研究では、掘削土砂の再利用先における環境変化(乾湿繰返し)とヒ素収着量とを関連付けながら明らかにすることを試みました。その結果、乾湿繰返しによって掘削土砂へのヒ素収着性が高まる、すなわちヒ素の系外への流出リスクが低くなる可能性を示唆しました。
◆題目: 現場採取土を用いたソイルセメントにおけるCa/Si比による固化・遅延発現の予測可能性(沼尻響)
ソイルセメントは、土壌とセメントを混合することで地盤を固化し、止水などに用いられています。都市部での施工では、時間的な制約があるため、固化を遅らせる、すなわち固化遅延技術が採用されることがあります。本研究では、遅延効果や固化強度を予測できるか明らかにすることを試みました。その結果、ソイルセメントから溶出するCa、 Si濃度と遅延効果、固化強度との関連があることがわかりました。
土壌圏科学研究室URL
http://www。isc。meiji。ac。jp/~soil/