2025年7月に開催された第60回地盤工学研究発表会(発表件数:1124題)において農学研究科農芸化学専攻博士前期課程1年の猪狩百花さん、農学部農芸化学科4年の飯田みのりさん(いずれも土壌圏科学研究室)が優秀論文発表者賞をW受賞しました。
◆題目: 地盤中構造物撤去孔の充填材を想定したセメントベントナイトにおける早硬添加材と初期水和物生成(猪狩百花)
都市の再開発事業では地中にある既存構造物撤去が必要となります。撤去時には地盤に孔が形成されるため、充填材(セメントベントナイト:CB)を注入して埋戻す必要があります。材添加によってCBの強度調節がなされることがあります。本研究では、材添加したCBにおける材齢初期の強度発現メカニズムを解明することを試みました。その結果、材齢初期に形成される水和物の違いにより、材ごとに初期強度が異なることがわかりました。
◆題目: 都市ごみ焼却主灰を用いたジオポリマー固化体の強度と元素溶出との関連性(飯田みのり)
ジオポリマーは、非晶質のケイ酸アルミニウムを含む材料とアルカリ溶液とを反応させ硬化させたもので、CO2排出量の削減に向けたセメント代替品として注目されています。しかし、ジオポリマーの強度発現機構は複雑です。本研究では、都市ごみ焼却主灰を用いたジオポリマー固化体の強度と元素溶出量の関連性を明らかにすることを試みました。その結果、SiとCaの溶出が多い場合に強度が高まることがわかりました。
第60回地盤工学研究発表会:
pub.confit.atlas.jp/ja/event/jgs60
土壌圏科学研究室HP:
http://www.isc.meiji.ac.jp/~soil/