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海外現地研修

海外現地研修B

 2025年度の海外現地研修はコロナ禍以来ひさびさの北京(前回は2017年)でした。研修参加者は1年生と2年生計14名。
 日中関係が悪化する中での実施となり、楽しみにしていた北京師範大学との学生交流は残念ながら「日程の問題」でキャンセルとなりました。それでも北京市内は平穏で、研修生はそれぞれ北京の街を見て回り、人びとと交流して帰国しました。
 以下はその感想です。

円明園の廃墟にて



 今回の研修では、教科書の中の知識が現実のスケールとなって目の前に現れるということに一番興奮した。特に、天安門をこの目で見たときの感覚は言葉では言い尽くせない 。建築の漢化というテーマについては、清真寺(イスラーム寺院)内部の見学が叶わなかったという課題が残ったものの、牛街(ムスリム地区)という街全体が持つ独特の融合文化を肌で感じることができた。日本のメディアやSNS の情報に依存せず、自分の足で歩き、現地の市民と穏やかに交流した経験は、私にとって何物にも代えがたい経験となった。研修だけでは見尽くせなかった場所も多く、さらに知識を深めた上で必ず再び北京の地を訪れたいと強く願っている 。(1年生)

マルコ・ポーロも渡った盧溝橋にて


 
 入国前は台湾有事の件で多少不安に思うこともあったが、実際に中国を訪れてみると本当に優しい人ばかりで、日本人だと分かっても態度を変えず助けてくれた。日本のメディアは中国のマイナスな面を誇張して報道しがちなため、よくないイメージを抱いている人も多いが、実際は私たちと同じように友好的な人がほとんどだった。春に台湾に行ったときはほぼ日本語で話しかけられてしまったため中国語を使う機会があまりなかったが、北京では英語も日本語も通じないため拙い中国語でコミュニケーションをとることができてよい経験となった。学生同士の交流ができなくなってしまったのは本当に残念だが、機会があれば日本にいる中国人とも積極的に関わってみたいと思った。確かに監視は厳しいが、特に悪いことをしなければ、人は人情深くてご飯も美味しくていい国だと思った。幼少期から憧れていた中国を訪れて、もし嫌いになったらこの先の研究をどうしようかと不安だったが、行ってみてもっと好きになった。(2年生)

天安門広場にて、遠く天安門を望む



 私は中国語がほとんど分からず、英語にもあまり自信がない状態であった。それでも翻訳アプリを使いながら、飲食店や屋台の店員など、さまざまな人々と短い対話を重ねることができた。こうした経験を通じて、私の中に「北京で暮らす人々」という具体的なイメージが生まれた。私が日本でパソコンに向かい、文章を考えている今この瞬間にも、北京の人々は同じ時間を生きている。その感覚は、少し詩的かもしれないが、他者を現実の存在として捉えるうえで大切な視点だと感じている。
 実習に行く前は、中国に対して「未発達なのではないか」「危険なのではないか」という漠然とした不安を抱いていた。
 しかし、北京で人々の生活に触れる中で、私は彼らを抽象的な「中国人」ではなく、日常を生きる一人ひとりの「人間」として捉えるようになった。考え方や歴史、文化、言語は異なっていても、生活し、働き、誰かと関わりながら生きているという点では共通している。そこには、互いに理解し合える余地があるのではないかと感じた。北京での経験は、そのことを考えるきっかけになった。(2年生)