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ゲストスピーカーによる特別授業(7月11日実施)

実施日:2014年7月11日(金)
実施場所:駿河台キャンパス リバティタワー1065教室
科目名:経営哲学
ゲストスピーカー:岸本 吉浩(CSRデータ開発チーム 『CSR企業総覧』編集部)

実施内容:
 『CSR企業総覧』から読み解く日本企業のCSRの取り組みについて具体的な資料を用いながら,講演をいただいた。「よい会社」について考える際には,誰にとってどんな基準からよい会社なのかを考えることが必要になり,就職を考えている学生にとってよい会社と投資家にとってよい会社とは必ずしも同じにはならないことが確認された。しかしながら,「サステナビリティ」,持続可能性をキーワードにすると,利益を上げること,法律を守ること,卑怯なことはしないこと,社会から信頼されることなどが,株主とっても,就職活動をしている学生にとっても,消費者にとっても,よい会社を評価する共通の基準になることが紹介された。また,そうした事柄がCSR情報として開示されており,CSRは企業として行うべき当然の活動となっていることが示された。CSRは企業イメージを向上させるばかりでなく,競争力の源泉となり,不祥事を予防し,従業員に誇りを持たせ,長い目で見た市場開拓を可能にして,企業の持続可能性を高めるからである。社会貢献支出額の推移,ボランティア休暇・休職取得者数の推移,CSR関連部署の状況などが具体的に示され,今日の日本企業が積極的にCSRに取り組んでいることが明らかになった。就職活動で企業を選ぶ際には,ネット情報や噂による会社選びは危険であり,有給休暇取得率や新卒3年後離職率(定着率)だけで会社を見ることもやめた方がよいとのことである。また,すぐに会社を辞めるつもりでなければ,長く存続できる会社を選んだ方がよく,そのためには,財務状況とCSRが重要ポイントになるとのことであった。
 多くの学生が質問する時間もでき,CSRに対する日本企業の具体的な取り組みを知ることができた。学生にとっても関心のあるテーマであったことから,盛況のうちに特別授業を終了することができた。

                                                         出見世 信之(科目担当教員)