東日本大震災による大津波は、海辺の土地の景色を一変させました。そんな中にも、開発により姿を消していた植物種がよみがえるなど、自然がもつ回復力をまのあたりにする場面や、人々の営みが行われる以前の、太古の風景が帰ってきた区域もありました。また一方で、鮭の遡上や白鳥の飛来といった毎年の出来事は、おそらく過去数千年数万年つづいてきたサイクルを、いまも変わらずくりかえしています。
震災はまた、人間社会と自然の関係を深く考え、どのような未来がありうるのかを探るための機会でもありえます。そのための手がかりのひとつとして、オランダ、アムステルダム近郊の驚くべき自然保護区オーストヴァーデルスプラッセンの例を見ながら、現在世界中で注目されているリワイルディング=再野生化という試みについて考えてみたいと思います。
内容
1 スライドショー「福島とオランダ、二つの海辺」赤阪友昭(写真家)
2 短編映画「水の記憶、土の記憶~南相馬から」古木洋平(映画監督)
3 オランダのドキュメンタリー映画紹介 「The New Wilderness 」部分上映
4 シンポジウム「希望としてのRewilding」赤阪友昭、古木洋平、信太美奈(音楽家)、小沼純一(批評家/早稲田大学)、松田法子(建築史・都市史/京都府立大学)、管啓次郎(比較詩学/明治大学=司会)
日時 2016年3月11日(金)14時~16時
場所 明治大学中野キャンパス5階ホール
主催 明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻
予約不要・入場無料
連絡先 明治大学理工学部 管啓次郎研究室(044-934-7275)