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理工学研究科

【理工学研究科応用化学専攻】博士後期課程3年の谷智弘さんの論文が国際学術雑誌 Adv. Synth. Catal.2020年第19版の表紙に掲載されることが決まりました

2020年09月15日
明治大学 理工学部事務室

 精密有機反応制御研究室(土本晃久専任教授主催)に在籍中の理工学研究科応用化学専攻博士後期課程3年の谷智弘さんが筆頭著者となった論文が国際学術雑誌 Adv. Synth. Catal. (impact factor = 5.851),2020年第19版の表紙絵を飾ることがきまりました。同君の論文の表紙絵への掲載は、昨年に続いての快挙です。

研究内容と説明:
 ケイ素は、地球上で酸素に次いで豊富に存在する資源としての元素であり、持続可能な化学産業の発展には、ケイ素を含む原料を有効に活用しての方法論や技術の開発は極めて重要な位置付けにあります。土本研究室では、ルイス酸を触媒に利用して、アルキンという有機化合物を反応基質にもちいた、画期的な反応開発を目指して、研究活動を続けています。
 今回、我々がかねてより利用してきた、インジウムルイス酸と亜鉛ルイス酸を一つのフラスコ内で併用すると、それぞれの特長を活かした触媒反応が順序よくリレー形式で進行し、アルキンとビスヒドロシランの反応から、1,1-ジシリルアルケンが一挙に得られる、画期的な新規反応を開発しました。各触媒反応の進行順序としては、6通りの組み合わせがありますが、その中でこの反応は、一つのリレー反応のみが進行する、絶妙なバランスの上に成り立っている反応であると言えます。生成物の 1,1-ジシリルアルケンは,他の有用有機化合物への変換も可能な、重要な合成中間体としても利用可能であることも明らかにされています。
 該当論文は、以上の研究成果を取りまとめたものであり、表紙絵は、その様子を画像にしたものです。ここでは、新国立競技場を舞台に、亜鉛触媒が、自らが作用することで合成した中間体としてのバトンを、最終生成物に変換してもらうべく、インジウム触媒に渡そうとしている状況が描かれています。

表紙絵:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adsc.202000968
表紙絵掲載号:2020 年 第 19 版に掲載予定
該当論文:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adsc.202000501
土本研ホームページ:http://www.isc.meiji.ac.jp/~tsuchi/
明治大学大学院