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理工学研究科

【理工学研究科応用化学専攻】博士前期課程2年の白井友樹さんが第29回無機リン化学討論会で若手優秀研究発表賞を受賞しました

2020年10月20日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年の白井友樹さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、9月24日・25日にオンラインで開催された「第29回無機リン化学討論会」において、若手優秀研究発表賞を受賞しました。

 生体関連材料研究室では、従来のアパタイト系人工骨の骨形成能を超える「次世代型人工骨の創製」に取り組んでいます。生体骨中には多くの血管が存在しており、骨内における血管の役割は成長因子や栄養素を供給することや骨欠損部への幹細胞や骨前駆細胞の送達などがあります。そのため、人工骨に「血管新生能」を付与することで高い骨形成を実現できます。さらに、骨を形成する骨芽細胞などが存在しない部位(筋肉など)で骨形成を生じる「骨誘導能」を人工骨に付与できれば、大きな骨欠損部での骨形成にも適用できると考えられます。

 そこで、当研究室では、血管新生能と高い骨形成能の付与および機械的性質の向上を目的として、塩基性線維芽細胞増殖因子 (bFGF) を担持させた乳酸グリコール酸共重合体 (PLGA) 被覆水酸アパタイト多孔質セラミックスを作製しました。作製したセラミックスのin vivo実験により、高い「血管新生能」および「骨誘導能」を確認しています。なお、「骨誘導能」の実験は、本学農学部の長嶋比呂志教授グループにご協力いただきました。

 上記の研究成果が認められ、若手優秀研究発表賞の受賞につながりました(対象者15人中3名が受賞)。なお,日本無機リン化学会はリンを含有する無機物質およびそれに関係する物質に特化した学会であり、無機リン化学討論会は今回で29回目を数えます。この研究は、明治大学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」の一環として実施されました。

発表者:○白井友樹・北 有紗・竹岡裕子・陸川政弘・中野和明・長屋昌樹・長嶋比呂志・相澤 守
演 題:成長因子を担持させた生体吸収性ポリマー被覆型水酸アパタイト人工骨の作製とその生物学的評価
 
明治大学大学院