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理工学研究科

【理工学研究科応用化学専攻】博士後期課程2年の鈴木来さんが日本セラミックス協会のシンポジウムで特定セッション学生優秀発表賞を受賞しました

2021年09月17日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士後期課程2年の鈴木来さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、日本セラミックス協会第34回秋季シンポジウム特定セッション「先進セラミックバイオマテリアルの新展開と次世代型材料機能設計指針の構築」において、特定セッション学生優秀発表賞を受賞しました。

 理工学部応用化学科の生体関連材料研究室では、生体骨中の主要な無機成分である水酸アパタイト(HAp)を用いた骨再生に関する研究に取り組んでいます。HApは骨組織との結合性が良く、臨床成績も良好である一方で、生体内での吸収性が低いことが課題です。この課題に対して、当研究室では「異方性制御技術」という新たな手法で解決を図りました。異方性とは、方向によって異なる性質を持つことであり、HApはa面とc面という異なる性質を持つ結晶面を有しています。これまでの研究から、HApのa面を多く露出させることで、HApの溶解性が増すということを明らかにしていました。しかし、その知見が骨組織の吸収を司る「破骨細胞」にどのような影響を与えるのかは未解明でした。

 そこで、本研究では、a面を多く露出させたHApセラミックスを作製し、その表面上で破骨細胞を培養しました。培養したセラミックスの表面状態を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、a面を多く露出させたHApセラミックスが、異方性制御をしていないHApセラミックスに比べて、破骨細胞による吸収を受けやすいことを明らかにしました。

 上記の研究成果が認められ、今回の「特定セッション学生優秀発表賞」の受賞につながりました。また、この講演は秋季シンポジウム680件のうち、5件の注目すべき講演として「トピックス研究発表」にも選抜されています。日本セラミックス協会は日本最大の無機材料(セラミックス)の学会であり、秋季シンポジウムは今回で34回目を数えます。COVID-19感染拡大により、昨年に引き続き、当該学会はオンライン上で開催されました。なお、この研究は、明治大学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」の一環として実施されました。

開催日:2021年9月1-3日(発表日:9月1日)
発表者:〇鈴木 来・大沼恵里香・亀田優佳・本田みちよ・吉村英恭・相澤 守
演 題:a面を多く露出した水酸アパタイトセラミックス上での破骨細胞の培養とその評価
明治大学大学院