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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】博士前期課程2年の水野宏彦さんが、第43回日本バイオマテリアル学会大会で優秀研究ポスター賞を受賞しました

2021年12月14日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年の水野宏彦さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、11月28日~30日に開催された第43回日本バイオマテリアル学会大会において、「優秀研究ポスター賞」を受賞しました。

 生体関連材料研究室では、抗菌性を備えた整形外科用インプラント材の開発に取り組んでいます。近年の医療業界では、人工関節などをはじめとするインプラント材が広く普及していますが、それらの使用後の術後感染症は重篤な合併症の1つであり、近年大きな問題となっています。

 術後感染には、手術直後の早期感染としばらく時間が経過してから発生する後期感染があります。本研究では、早期感染と後期感染の両方に対応可能な「耐感染性を備えた綿形状人工骨補填材」を創製し、その生物学的評価を実施しました。より具体的には、現在臨床で使用されている綿形状の人工骨補填材 ReBOSSIS®(オルソリバース株式会社製)と優れた抗菌性を有する銀イオンを組み合わせた抗菌性綿形状材料を作製し、その材料特性や抗菌性、生体適合性を評価しました。作製した抗菌性綿形状人工骨補填材は、黄色ブドウ球菌や大腸菌に対して抗菌性を発現し、ラット頭蓋欠損モデルによる生体硬組織反応の組織学的評価では銀イオンによる生体への為害性を示さず、ReBOSSIS®と同等の骨形成能を発揮することを明らかにしました。

 今回、上記の研究成果が認められて「優秀研究ポスター賞」の受賞につながりました。本研究で創製した材料は、耐感染性を備えた次世代型の綿形状人工骨補填材として臨床応用が期待されています。なお、本研究は、明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュートの課題の一つであり、本学とオルソリバース株式会社および名古屋工業大学との共同研究となっています。

発表者:○水野宏彦・本田みちよ・水本みのり・牧田昌士・西川靖俊・春日敏宏・相澤 守
演題:耐感染性を備えた綿形状人工骨補填材の作製とその生物学的評価

明治大学大学院