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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】博士前期課程2年の興津翔太さんが、第43回日本バイオマテリアル学会大会 JSBポスターセッションで優秀研究ポスター賞を受賞しました

2021年12月14日
明治大学 理工学部事務室

理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年の興津翔太さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、11月28日~30日に開催された第43回日本バイオマテリアル学会大会 JSBポスターセッションにおいて、「優秀研究ポスター賞」を受賞しました。
 
 生体関連材料研究室では、生体骨中の主要な無機成分である水酸アパタイト (HAp) を用いた骨再生に関する研究に取り組んでいます。その研究の一つとして、生体骨に含まれる微量元素 (Na+, K+, Mg2+, F-, Cl- および CO32-) を水酸アパタイト (Ca10(PO4)6(OH)2; HAp) に添加して欠陥構造を導入させた「骨ミネラル含有アパタイト (Bone HAp)の合成とその生命機能の評価を推進しています。この Bone HAp から作製した多孔質セラミックスは優れた骨形成能と生体吸収性とを併せ持つことが明らかになっています。この生体吸収性は、マグネシウムおよび炭酸イオンによる影響が大きいと考えられますが、炭酸イオンは焼成時に脱離してしまうという問題がありました。

 そこで、本研究では焼成時の炭酸の脱離を抑制することを目的として、セラミックスの焼成雰囲気に着目しました。3種類の異なる雰囲気下で焼成したセラミックスを用いて比較検討を行ない、水蒸気を含む炭酸ガス雰囲気下で焼成することで炭酸イオンの脱離を抑制できることを明らかにしました。炭酸イオンはHApに溶解性を付与することから、焼成雰囲気の制御は生体内での優れた骨形成能と生体吸収性の機能発現に繋がると考えられます。

 今回、上記の研究成果が認められ、「優秀研究ポスター賞」の受賞につながりました。なお、日本バイオマテリアル学会大会は生体に使用する材料およびその応用に関する科学・技術を発展・向上させることを目的とした学会であり、日本バイオマテリアル学会大会は今回で43回目を数えます。なお、この研究は、明治大学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」の一環として実施されました。
 

発表者:○興津翔太, 横田倫啓, 相澤 守
演題:骨ミネラル含有アパタイトセラミックスの材料特性に及ぼす焼成雰囲気の影響

明治大学大学院