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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】博士後期課程1年の大沼恵里香さんが、つくば医工連携フォーラム2022で研究奨励賞を受賞しました

2022年02月03日
明治大学 理工学部事務室

  理工学研究科応用化学専攻博士後期課程1年の大沼恵里香さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、1月21日に開催された「つくば医工連携フォーラム2022」で、研究奨励賞を受賞しました。

 生体関連材料研究室では、生体骨や歯の無機主成分である水酸アパタイト(HAp)に注目し、人工骨などに応用可能なバイオマテリアルの基礎研究および応用研究を推進しています。水酸アパタイトは a 面および c 面という二つの結晶面をもち、面(六角形の鉛筆の側面に相当)は正に、c 面(六角形の鉛筆の底面に相当)は負に帯電していることが知られています。特に、アパタイトの a 面は生体骨、c 面は歯のエナメル質に類似した構造を有しています。本研究では、面および c 面を多く露出した異方性をもつHApに吸着した血清タンパク質をプロテオーム解析することで、生体骨や歯の表面に吸着するタンパク質の種類やその機能を明らかにしました。この研究成果は、アパタイトの異方性がヒトの生体骨や歯に対し、それぞれどのような機能をもたらすのかを解明する手掛かりになります。この知見は次世代型人工骨の開発に有益な情報となります。

 上記の研究成果が認められ、今回の「研究奨励賞」受賞につながりました(171件の発表中15件の発表が受賞対象)。なお、「つくば医工連携フォーラム」は、新しい臨床医療の創出に関する医学、これに関連する工学・産業および行政を連携することにより学際領域の研究開発および関連産業の創出と発展に寄与することを目的とし、2009年に発足しました。特に、本年度は「人々の命と健康を守る新たなイノベーションを生み出すには、医工連携を絶やすことなく、未来へとつなげていくべき」という理念のもと開催されました。

 なお、この研究は本学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」研究の一環として実施されました。また、本研究の成果は本学理工学部応用化学科生体関連材料研究室と農学部生命科学科プロテオミクス研究室の共同研究によるものです。
明治大学大学院