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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】博士後期課程2年の大沼恵里香さんが、日本セラミックス協会第35回秋季シンポジウムで学生優秀発表賞を受賞しました

2022年09月22日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士後期課程2年の大沼恵里香さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、9月14日~9月16日に徳島大学常三島キャンパスで開催された日本セラミックス協会第35回秋季シンポジウム 特定セッション「先進セラミックバイオマテリアルのフロンティア」にて、特定セッション学生優秀発表賞を受賞しました。

 生体関連材料研究室(相澤守教授)では、生体骨や歯の無機主成分である水酸アパタイト(HAp)に注目し、人工骨などに応用可能なバイオマテリアルの基礎研究および応用研究を推進しています。
 HAp は a 面および c 面という二つの結晶面をもち、a 面(六角形の鉛筆の側面に相当)は正に、c 面(六角形の鉛筆の底面に相当)は負に帯電していることが知られています。特に、アパタイトの a 面は生体骨、c 面は歯のエナメル質に類似した構造を有しています。当研究グループでは、この HAp 粒子の配向性を制御したセラミックスの創製に成功しています。本研究では、生体骨モデル材料となる 「a 面を多く露出した HAp セラミックス」に吸着した血清タンパク質をプロテオーム解析により網羅的に調べ、HApの結晶面に特異的に吸着するタンパク質の種類とそれらの機能を明らかにしました。この研究成果は、アパタイトの異方性がヒトの生体骨に対し、それぞれどのような機能をもたらすのかを解明する手掛かりになります。将来的には、現行の人工骨に新しい表面特性として異方性を取り入れることで、より良いバイオマテリアルの開発にも寄与できると期待されます。


 今回、上記の研究成果が認められ、学生優秀発表賞受賞につながりました。セラミックス協会は、セラミックスの産業及び科学・技術の発展を目的として1891年(明治24年)に創立された、セラミックスに関するわが国唯一の総合的な学術・産業共同の団体です。特に、本年度のシンポジウムでは、日本セラミックス協会 令和未来宣言「人をつなぐ、社会をつなぐ,知をつなぐ、環境・資源をつなぐ」を共通思念に、SDGs 達成を指向した医歯工学における材料機能高度制御技術の開拓を目標として掲げて開催されました。

 なお、この研究は、本学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」研究の一環として実施されました。また、本研究成果は本学理工学部応用化学科生体関連材料研究室と農学部生命科学科プロテオミクス研究室(紀藤圭治教授)との共同研究によるものです。
 

受賞名:特定セッション学生優秀発表賞
学会名:日本セラミックス協会第35回秋季シンポジウム
セッション名:先進セラミックバイオマテリアルのフロンティア-SDGs 達成を指向した医歯工学における材料機能高度制御技術の開拓と未来展望-
発表者:〇大沼恵里香・伊藤颯人・佐々木槙・神澤信之・紀藤圭治・相澤 守
演 題:a 面を多く露出した水酸アパタイトセラミックスに吸着したタンパク質のプロテオーム解析

明治大学大学院