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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】博士前期課程2年の加藤史織さんが、第31回無機リン化学討論会で若手優秀発表賞を受賞しました

2022年10月20日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年の加藤史織さん(生体関連材料研究室・相澤守教授)が、9月29日・30日に徳島大学常三島キャンパスで開催された「第31回無機リン化学討論会」にて、若手優秀発表賞を受賞しました。
 
 生体関連材料研究室では、低侵襲治療の確立を目指し、注射器などで注入可能なペースト状人工骨(骨修復セメント)の開発を推進しています。
 本研究では、生体吸収性をもつβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)セメントに、気孔形成剤として生体吸収性をもつ乳酸グリコール酸共重合体 (PLGA) 粒子、機械的特性の向上をねらい硫酸カルシウム半水和物 (CSH) を添加した新規な「有機/無機ハイブリッド型セメント」を作製し、そのセメントに細胞毒性がないことを骨芽細胞を利用した実験により明らかにしました。さらに、そのセメントの生体内反応をブタ脛骨にインプラントして調べたところ、当該セメントは、埋入12週間で従来のβ-TCPセメントよりも約5倍の生体内吸収性をもち、かつ適切に骨形成が進行していることが分かりました。本研究の有機/無機ハイブリッド型セメントは優れた骨形成能と生体吸収性を併せ持つ次世代の「骨修復セメント」として期待できます。

 今回、上記の研究成果がみとめられ、「若手優秀研究発表賞」の受賞につながりました(対象者14名中2名が受賞)。なお、日本無機リン化学会はリンを含有する無機物質およびそれに関係する物質に特化した学会であり、無機リン化学討論会は今回で31回目となります。この研究は、明治大学「バイオリソース研究国際インスティテュート」(代表:農学部 長嶋比呂志教授)との共同研究となっており、明治大学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」の一環として実施されました。

受賞名 : 若手優秀発表賞
学会名:第31回無機リン化学討論
発表者:〇加藤史織・安藤昭洋・鈴木 来・中野和明・長屋昌樹・長嶋比呂志・相澤 守
演題:骨リモデリングサイクルに適合する有機/無機ハイブリッド型セメントの創製とその生体内反応
明治大学大学院