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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】大沼恵里香さん(博士後期課程2年・生体関連材料研究室)のポスター発表が、20th Asian BioCeramics SymposiumにてABC Awardを受賞しました

2023年01月10日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士後期課程2年の大沼恵里香さんのポスター発表が、20th Asian BioCeramics Symposium(ABC2022)において、「ABC Award」を受賞しました。

 大沼さんが所属する生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、生体骨や歯の無機主成分である水酸アパタイト(HAp)に注目し、人工骨などに応用可能なバイオマテリアルの基礎研究および応用研究を推進しています。

 水酸アパタイトは a面および 面という二つの結晶面をもち、 面(六角形の鉛筆の側面に相当)は正に、c 面(六角形の鉛筆の底面に相当)は負に帯電していることが知られています。特に、アパタイトの a面は生体骨、c 面は歯のエナメル質に類似した構造を有しています。本研究では、これらの生体硬組織のモデル材料となる、面および 面を多く露出した異方性をもつHAp粒子を合成しました。加えて、合成した異方性制御HAp粒子に吸着した血清タンパク質をプロテオーム解析することで、吸着するタンパク質の種類やその機能を明らかにしました。この研究成果は、アパタイトの異方性がヒトの生体骨や歯に対し、それぞれどのような機能をもたらすのかを解明する手掛かりになります。

 上記の研究成果が認められ、12月11日~12月13日に富山国際会議場(富山県富山市)で開催されたABC2022にて、ABC Awardを授与されました(受賞対象18講演のうち、4件が受賞対象)。Asian BioCeramics Symposiumは、2001年から毎年アジア諸国で開催され、アジアおよび世界各地の科学者、技術者、歯科医および外科医などが集まり、バイオマテリアルやバイオメディカルアプリケーションの開発に対して議論するシンポジウムです。本大会は、今回で20回目になります。

 なお、この研究は、本学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」研究の一環として実施されました。また、本研究成果は農学部生命科学科プロテオミクス研究室(紀藤圭治教授)との共同研究によるものです。

学会名:20th Asian Bioceramics Symposium (ABC2022)
セッション名:Poster session (ポスター発表)
受賞名:ABC Award
発表者:〇大沼恵里香・伊藤颯人・佐々木槙・神澤信之・紀藤圭治・相澤 守
演 題:Proteomics of proteins adsorbed on hydroxyapatite single-crystal particles with an anisotropic structure (異方性をもつ水酸アパタイト単結晶粒子に吸着したタンパク質のプロテオーム解析)
明治大学大学院