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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】鈴木来さん(博士後期課程3年・生体関連材料研究室)が、無機マテリアル学会第145回学術講演会において優秀講演奨励賞を受賞しました

2023年01月18日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士後期課程3年の鈴木来さん(生体関連材料研究室・相澤 守教授)が、2022年11月10日・11日に熊本県の熊本市国際交流会館で開催された「無機マテリアル学会第145回学術講演会」において、優秀講演奨励賞を受賞しました。

 生体関連材料研究室では、生体骨中の主要な無機成分である水酸アパタイト(HAp)を用いた骨再生に関する研究に取り組んでいます。当研究室では、HApの異方性制御技術を有しています。異方性とは、方向によって異なる性質を持つことであり、HApは 面と 面という異なる性質を持つ結晶面を有しています。また、生体内では骨リモデリングプロセスという骨組織の新陳代謝が行なわれており、そのプロセスにおいて骨組織の吸収を司る「破骨細胞」は重要な役割をもっています。これまでに我々はHApの 面を多く露出させると、その溶解性が増すことを明らかにしています。

 本研究では、面を多く露出させたHApセラミックスを作製し、その上に破骨細胞を播種し、材料の吸収性と破骨細胞の役割を調査しました。その結果、面を多く露出させたHApセラミックスは、等方的なHApセラミックスに比べて、破骨細胞による吸収を受けやすいことが分かりました。また、HApの異方性制御を行なうと、HApの溶解性に影響を与えることが破骨細胞を用いた実験系においても確かめることができました。

 上記の研究成果が認められ、今回の「優秀講演奨励賞」の受賞につながりました。なお、無機マテリアル学会は、無機材料に関係する学術の振興および産業の発展のための技術開発や研鑽に努めている学会であり、創立70年を超える無機材料に特化した伝統ある学会のひとつです。今回の講演会は145回目を数えます。また、この研究は、明治大学「生命機能マテリアル国際インスティテュート」の一環として実施されました。

受賞名:優秀講演奨励賞
学会名:無機マテリアル学会第145回学術講演会
発表者:鈴木 来、大沼恵里香、亀田優佳、本田みちよ、吉村英恭、相澤 守
演 題:破骨細胞を用いた異方性制御アパタイトセラミックスの in vitro 評価
明治大学大学院