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理工学研究科

【理工学研究科・応用化学専攻】精密有機反応制御研究室(土本晃久研究室)に在籍していた徳永礼さんの論文が、国際学術雑誌 Adv. Synth. Catal. (impact factor = 5.981)の表紙絵に選出されました

2023年05月15日
明治大学 理工学部事務室

表紙絵表紙絵

 精密有機反応制御研究室(土本晃久専任教授主催)に在籍していた、理工学研究科・応用化学専攻・博士前期課程・徳永礼さん(2022年度修了)が筆頭著者となった論文が、高評価を受け、国際学術雑誌 Adv. Synth. Catal. (impact factor = 5.981)、2023 年 第 9 版の表紙絵を飾りました。

 有機化合物の一つであるインドールは、医薬品や電子材料のような、我々の生活の身の回りにある化合物の中に見られる重要な基本ユニットです。したがって、インドール骨格を持っている化合物の新しい合成法の開発は、これまでには手に入らなかった構造の含インドール化合物を合成できる観点でとても重要な研究対象となります。精密有機反応制御研究室では今回、インドール誘導体の反応相手として、独自にデザインしたカルボニル化合物を少量の酸存在下に反応させることで、インドール骨格がカルボニル化合物に対して連続的に2回反応し、その後にカルボニル化合物が芳香環に変化することで生じる、o-ビス(3-インドリル)アレーンのユニークな合成法を開発しました。同種の化合物の従来の合成法は、特定の官能基をもった化合物を合成するものが2例知られているのみでした。したがって、今回の同化合物の基質一般性に優れた新合成法の開発は、学術面で大きな成果であると言えます。

 今回の研究は、研究スタート当初狙っていた反応とは異なる反応として見つかった偶然の産物でした。このセレンディピティの機会を見逃すことなく、o-ビス(3-インドリル)アレーンのユニークな合成法が開発できたのは、本研究に参加してくれた、大草さん,徳永さんの情熱によるものです。学術雑誌の表紙を飾った画像は、この研究のそんな様子を描いたものです。
明治大学大学院