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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】博士前期課程2年の加藤綾乃さんが、Biomaterials International 2023にてBest Poster Paper Awardを受賞しました

2023年09月04日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年の加藤綾乃さん(生体関連材料研究室)が、7月30日~ 8月3日に北海道大学で開催されたBiomaterials International 2023において、Best Poster Paper Awardを受賞しました。

 生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、カルシウム化合物を含有する材料に対し、強い金属キレート能を有するイノシトールリン酸を化学的に修飾することで抗菌性金属イオンの一種である「銀イオン」を材料表面に固定化させて抗菌性効果を付与する技術を培ってきました。一方、繊維強化プラスチック(FRP)は、我々の生活に欠かせない材料であり、その利用は浴槽や貯水タンクなどの水回り製品から一部では骨折固定具として体内に埋入する方法など多岐にわたり、かつ衛生的であることが求められます。FRPの表面には炭酸カルシウムを含有していることから、当研究室では東雄技研株式会社との産学連携の研究体制のもと、上記抗菌性付与プロセスによる「耐感染性を備えたFRPの創製」に取り組んできました。

 本発表では、抗菌性 FRP の抗菌効果の持続性に着目して複数回の抗菌性試験と各タイムポイントにおける FRP の銀イオン担持量測定を実施し、その関連性について考察しました。その結果、抗菌性 FRP は液体との接触で銀イオンを溶出し、その抗菌効果を減衰させるものの、イノシトールリン酸による銀イオンの再固定化によって抗菌効果を回復することが可能であると分かりました。これらの知見により、抗菌性 FRP の抗菌効果の維持と継続的な利用が期待されます。

 今回、上記の研究成果が認められ、Biomaterials International 2023にてBest Poster Paper Awardを受賞しました(101件中15件が受賞)。なお、Biomaterials International 2023 では、生物学・生理学・材料科学・物理学・化学・工学・臨床科学など様々な科学分野の国際的な研究コミュニティが一堂に会し、バイオマテリアルに関する技術と方法論について議論されました。

 また、本研究は、東雄技研株式会社との共同研究であり、国立研究開発法人 科学技術振興機構 A-STEPトライアウトの一環として実施されました。

受賞名 : Best Poster Paper Award
学会名:Biomaterials International 2023
発表者:〇加藤綾乃・水野宏彦・鈴木 来・菊地哲雄・相澤 守
演 題:SUSTAINABILITY AND RECOVERY OF ANTIBACTERIAL PROPERTY OF SILVER ION MODIFIED FIBER-REINFORCED PLASTICS
 
明治大学大学院