理工学研究科物理学専攻博士後期課程2年の横井駿さん(生物物理第一研究室、指導教員:光武亜代理准教授)が、IUPAP(International Union of Pure and Applied Physics、国際純粋応用物理学連合)が主催するCCP2023 - 34th IUPAP Conference on Computational Physics (8月4日~8日開催)にてTaylor & Francis Molecular Simulation Prizeを受賞しました。
受 賞 者:横井 駿(生物物理第一研究室・博士後期課程2年)
発表題目:Computational Insight into Dynamics and Intermediate States in OX2R Activation
発表内容:
分子動力学(MD)シミュレーションと呼ばれる目に見えない生体分子などの振る舞いを計算機によって原子レベルで予測する手法やタンパク質のデータベースなどを活用することにより、睡眠に関わる膜タンパク質であるオレキシン2受容体における活性化のダイナミクスや中間状態について詳細な解析を行いました。特に、野生型や変異体、化合物との複合体など異なる系における大規模なシミュレーションデータから、活性化の構造変化に対応する特徴量を抽出し、それらの特徴量を距離や角度などの定量的な指標を用いて評価しました。そして、オレキシン2受容体の活性化や中間状態に関する計算物理学に基づく新たな計算論的洞察を得ました。
上記の研究成果が認められ、Taylor & Francis Molecular Simulation Prizeの受賞につながりました。本国際会議では、Taylor & Francis Molecular Simulation PrizeとEPS Poster Prizeという賞がそれぞれ一名ずつ学生に与えられました。その一つであるTaylor & Francis Molecular Simulation Prizeは“Molecular Simulation”などの学術書出版社であるTaylor & Francis Groupがスポンサーである名誉ある賞です。