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理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】生体関連材料研究室の野瀬雅人さん(博士前期課程2年)が、第32回無機リン化学討論会において若手優秀研究発表賞を受賞しました

2023年10月02日
明治大学 理工学部事務室

  理工学研究科応用化学専攻の野瀬雅人さん(生体関連材料研究室)が、第32回無機リン化学討論会(2023年9月21日~22日)において「若手優秀研究発表賞」を受賞しました。

 応用化学専攻生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、新しいがん治療法として注目されている養子免疫療法(細胞免疫療法)に有用な「免疫系に積極的に働きかけるバイオセラミックス」の研究に取り組んでいます。養子免疫療法とは、患者自身の免疫細胞を体外で培養し、再び体内に戻すことで、患者自身の免疫力を高める療法であり、副作用のリスクが低いという利点から、新たながん治療として期待されています。

 同研究室では、養子免疫療法における細胞培養の工程において、これまでにCaO-P2O5-SiO2-B2O3(CPSB) 系セラミックスを培養基材として使用することで、免疫細胞が活性化することを究明してきました。本発表では、 CPSB 系セラミックス上で培養した免疫細胞を担癌マウスに投与することで、マウスの腫瘍成長を著しく抑制することを明らかにしました。これらの知見より、CPSB 系セラミックスは養子免疫療法で用いる培養基材として期待できます。

 上記の研究成果が認められ、9月21日~22日に熊本大学工学部2号館で開催された第32回無機リン化学討論会にて、若手優秀研究発表賞を授与されました。日本無機リン化学会は、第1回無機リン化学討論会(1973年),およびその後に設けられた無機リン化学研究者懇話会を母体とし創立された学会です。本学会は、リンを含有する無機物質およびそれに関係する物質または関連現象に関する科学および技術の発展・利用を計ることを目的とし、討論会・情報交換を行なっており、今回で32回目の開催となります。

 なお、この研究は、科研費(挑戦的研究(萌芽))ならびに明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュートの一環として実施されました。また、本研究成果は、本学と東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子免疫学(永井重徳准教授)との共同研究によるものです。

受賞名:若手優秀研究発表賞
学会名:第 32 回無機リン化学討論会
発表者:〇野瀬雅人・木造理萌子・永尾優季・新田藍子・鄭 允迪・福田龍一・永井重徳・相澤 守
演 題:養子免疫療法のためのCaO-P2O5-SiO2-B2O3系セラミックスの作製と担癌マウスを用いた抗腫瘍効果の検証
明治大学大学院