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理工学研究科

【理工学研究科・応用化学専攻】堀川祥汰さん(博士前期課程2年)が、第147回無機マテリアル学会学術講演会において「無機マテリアル学会講演優秀賞」を受賞しました

2023年11月15日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年の堀川祥汰さん(生体関連材料研究室)が、2023年11月9日・10日に東北大学片平キャンパスで開催された第147回無機マテリアル学会学術講演会において、「無機マテリアル学会講演優秀賞」を受賞しました。

 生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、人工骨材料として臨床応用されている水酸アパタイト (HAp ) やb-リン酸三カルシウム (b-TCP) などバイオセラミックスの開発を行なっています。一方で、人工骨材料を開発するには、生体内での安全性を担保するため動物実験を必要としますが、動物福祉の観点から動物実験の削減が求められています。本研究では、人工骨材料開発に機械学習を活用し、新たに創製する人工骨材料の安全性や性能を予測可能な「骨形成推定モデル」を構築し、動物実験に替わる「代替動物実験法」の確立を目指しています。
 
 本発表では、 骨形成推定モデルを逆解析することによって算出した実験条件で実際に材料を作製し、材料特性評価およびブタ脛骨に埋入した生体硬組織反応の検証を行なったところ、逆解析の推定値と一致した材料の作製に成功しました。これらの知見により、機械学習を活用した新規人工骨材料開発プロセスを構築し、「代替動物実験法」の確立につなげることが期待できます。
 
 上記の研究成果が認められ、今回の「無機マテリアル学会講演優秀賞」の受賞につながりました(37件中7件が受賞)。なお、無機マテリアル学会は、無機材料に関係する学術の振興および産業の発展のための技術開発や研鑽に努めている学会であり、創立70年を超える無機材料に特化した伝統ある学会のひとつです。今回の講演会は147回目を数えます。

 また、この研究は、本学応用化学科データ化学工学研究室(金子弘昌准教授)および明治大学バイオリソース研究国際インスティテュート (代表 : 農学部 長嶋比呂志教授) との共同研究であり、科研費(基盤研究 B)ならびに明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュートの一環として実施されました。

受賞名:無機マテリアル学会講演優秀賞
学会名:第147回無機マテリアル学会 学術講演会
発表者:〇堀川祥汰・鈴木 来・本島康平・中野和明・長屋昌樹・長嶋比呂志・金子弘昌・相澤 守
演 題:機械学習により設計した多孔質リン酸カルシウムセラミックスの材料特性とその生体硬組織反応の検証
明治大学大学院