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理工学研究科

【理工学研究科・応用化学専攻】博士前期課程2年の横山拓海さんと博士前期課程1年の金子隼輔さんが第15回CSJ化学フェスタ2025にて「最優秀ポスター発表賞(CSJ化学フェスタ賞)」と「優秀ポスター発表賞」をそれぞれ受賞しました

2025年12月15日
明治大学 理工学部事務室

 

理工学研究科応用化学専攻機能有機化学研究室、博士前期課程2年の横山拓海さんと博士前期課程1年の金子隼輔さんが、10月22日~24日にタワーホール船堀で開催された日本化学会秋季事業 第15回 CSJ化学フェスタ2025にて「最優秀ポスター発表賞(CSJ化学フェスタ賞)」と「優秀ポスター賞」をそれぞれ受賞しました。第15回 CSJ化学フェスタ2025では1031件の学生ポスター発表があり、そのうち10件が「最優秀ポスター発表賞(CSJ化学フェスタ賞)」として、188件が「優秀ポスター発表賞」として選出されました。

 

最優秀ポスター発表賞
受賞者:横山拓海(機能有機化学研究室・博士前期課程2年)→写真:右
発表題目:ホモキラルに化学修飾されたグラファイト表面によるキラリティー誘起
発表内容:小分子を検出するセンサ、電極および触媒への応用のため、炭素材料をナノレベルで精密に化学修飾する方法の開発に注目が集まっています。この研究では、有機化合物が自己集合(自ら集まる性質)現象によって黒鉛(グラファイト)表面に作るナノスケールの薄膜を鋳型として、数ナノメートルのピッチで周期的にかつホモキラルに化学修飾したグラファイト表面を使い、他の有機化合物の自己集合体へキラリティーが伝搬することを明らかにしました。独特の手法で作られたホモキラルな炭素表面を用いて、新たな伝搬機構で分子集合体のキラリティーを制御した点が高く評価されました。なお、化学修飾されたグラファイト表面や有機化合物の自己集合体の構造は、走査型トンネル顕微鏡による分子レベルでの高精度な表面観測により明らかにされました。

優秀ポスター発表賞
受賞者:金子隼輔(機能有機化学研究室・博士前期課程1年)
発表題目:単一成分による単層キラル COF の合成と隣接するメチル基の影響
発表内容:気体の小分子(ガス)の貯蔵や分離、触媒への応用が期待され、共有結合性有機構造体(COF)の合成と性質調査を目的とした研究が最近盛んになされています。COF は、単量体(モノマー)の溶液中における重合により合成されていますが、その生成過程を分子レベルで解明するには特殊な観測方法が必要です。本研究では、走査型トンネル顕微鏡による分子レベルでの詳細な観測により、炭素表面で三角形分子の COF がどのように成長するか、その過程を詳細に明らかにしました。特に、単量体の構造を少し変化させることで、COF 生成過程が大きく変化することを見出しました。これら知見は新たな COF 設計と合成に重要な情報になると期待されます。

 

受賞時記念写真(右:横山さん、左:金子さん)受賞時記念写真(右:横山さん、左:金子さん)

明治大学大学院