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理工学研究科

島川 楓さん(応用化学専攻博士前期課程2年;指導教員 相澤 守 教授)が日本セラミックス協会第31回秋季シンポジウム特定セッション「生体関連材料に関する基礎科学の深化と新素材の開発」において特定セッション学生優秀発表賞を受賞しました

2018年09月19日
明治大学 理工学部事務室

受賞名:特定セッション学生優秀発表賞
学会名:日本セラミックス協会第31回秋季シンポジウム
セッション名:生体関連材料に関する基礎科学の深化と新素材の開発
開催地:愛知県名古屋市(名古屋工業大学)
開催日:2018年9月5-7日(発表日:9月5日)
発表者:○島川 楓・永田幸平・木南啓司・浅野吉則・中野和明・長屋昌樹・長嶋比呂志・相澤 守
演題:架橋度の異なるゼラチン粒子を気孔形成剤とした有機/無機ハイブリッドペースト状人工骨の生物学的評価

<内容>
 理工学研究科応用化学専攻生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、低侵襲治療の確立を目指し、注射器などで注入可能なペースト状人工骨(骨修復セメント)の開発を産学連携を通して推進しています。
 当該研究室では、生体吸収性をもつ-リン酸三カルシウム粉体に同じく生体吸収性をもつ「ゼラチン粒子」を添加してハイブリッド化させることにより、生体内で完全に吸収置換される新規な「有機/無機ハイブリッド型多孔質セメント」の創製に成功しています。本研究では、添加するゼラチン粒子の架橋度を変化させて、3種類の有機/無機ハイブリッド型多孔質セメントを試作しました。架橋度の低いゼラチン粒子は高い溶解性を持つことから、架橋度の異なるゼラチン粒子を使用すると生体内での吸収置換速度を制御できることが期待されます。実際、試作したセメントペーストをブタ脛骨にインプラントしたところ、8週間の埋入で約80%が吸収され、新生骨に置換していることが分かりました。このセメントは、優れた骨形成能と生体吸収性を併せ持つ次世代の「骨修復セメント」として期待されます。
 上記の研究成果が認められ、今回の特定セッション学生優秀発表賞の受賞につながりました。日本セラミックス協会は日本最大の無機材料(セラミックス)の学会であり、秋季シンポジウムは今回で31回目を数えます。なお、この研究は、本学バイオリソース研究国際インスティテュート(代表:農学部 長嶋比呂志教授)およびグンゼ株式会社との共同研究となっており、明治大学「生命機能マテリアル研究クラスター」研究の一環として実施されました。

関連ホームページ:
日本セラミックス協会 http://www.ceramic.or.jp/
日本セラミックス協会生体関連材料部会 http://www.ceramic.or.jp/bseitai/index_j.html
応用化学科 相澤研究室 http://www.isc.meiji.ac.jp/~a_lab/
明治大学生命機能マテリアル研究クラスター http://www.isc.meiji.ac.jp/~a_lab/cluster/ 
明治大学国際バイオリソースインスティテュート:http://muiibr.com/

明治大学大学院