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農学部

「農地・森林等の放射性物質の除去・低減技術の開発」プロジェクト課題に採択

2012年05月29日
明治大学

農林水産省の平成24~26年度標記委託プロジェクト研究「農地・森林等の放射性物質の除去・低減技術の開発」の4課題中2課題に,農学部の竹迫紘専任教授・藤原俊六郎特任教授が共同研究者として加わる独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の提案が採択されました。
課題名は「高濃度汚染地域における農地土壌除染技術体系の構築・実証(果樹園・茶園の除染技術)」及び「高濃度農地汚染土壌の現場における処分技術の開発(化学的処分技術)」です。本プロジェクトの複数課題に参画する大学は明治大学だけです。
「果樹園・茶園の除染技術」では、野菜茶業研究所、東京大学、静岡大学や県農業研究センターと共同し、樹体洗浄や表土剥ぎ等による生産物への放射性セシウム低減や、カリウム葉面散布による移行抑制、茶樹の移行係数、転流メカニズムの解明等の研究を行い、果実・茶の新芽へのセシウム移行低減技術を開発します。明治大学は、樹体放射線量のリアルタイム可視化をγ線カメラ(東芝開発)により実証し、迅速な除染対策をとるための研究開発を行います。
「化学的処分技術」では、中央農業総合研究センター、東芝、福島県農業総合センターと共同し、大量の残土が滞留する排土よる除染の限界を、シュウ酸により汚染表土からセシウムを化学的に抽出・回収する処理技術(東芝開発)で打開し、処理土壌を農地土壌として再利用する技術と放射性物質の減容化の技術体系を確立します。明治大学はシュウ酸処理による土壌理化学性の変化と、残留するシュウ酸の作物生育への影響評価を行い、これらに基づいた土壌改良法を明らかにする研究を分担します。現地実証など総合的な除染技術開発により、農耕地汚染土壌の空間線量率の低下と農産物放射能汚染リスクの低減を図り、対象地域の農業生産活動の早期再開を目指します。