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農学部

【農学専攻】日本作物学会第254回講演会において根岸広美さん(作物学研究室 博士前期課程1年)が優秀発表賞(ポスター賞)を受賞しました

2022年10月17日
明治大学 農学部事務室

受賞した根岸広美さん受賞した根岸広美さん

 2022年9月20~21日に福島大学において2年半ぶりに対面で開催された日本作物学会第254回講演会において、大学院農学専攻博士前期課程1年の根岸広美さん(作物学研究室・塩津文隆准教授)が優秀発表賞(ポスター賞)を受賞しました。この賞は、講演会における優秀な発表に対して表彰されるものです。
発表演題は「水稲再生二期作栽培における再生茎への炭素、窒素の分配の違い」です。

日本作物学会講演会優秀発表賞:http://www.cropscience.jp/award/award_08.html

研究内容:
 水稲再生二期作栽培は、1期作目の収穫後の刈り株から再生する茎(再生茎)から籾を再度得る栽培方法として、昔から知られています。例えば、日本書紀には『一殖両収』として記述されています。しかし、技術改良が行われなかったため、収量は一期作よりも遥かに低く、ほとんど注目されてきませんでした。しかしながら、近年、世界的な人口増加による食糧需給の拡大に伴い、30億人の人々の主食であるイネの生産性の向上が求められおり、水稲再生二期作栽培が再び熱帯アジア・アフリカで注目されています。
 水稲再生二期作栽培に最も重要なのは再生茎の発育をどのようにして最大にするのかということです。そこで本研究では、再生茎の発育に密接に関係する一期作目収穫時の刈り株内の光合成産物や窒素が発生位置別の再生茎にどのように分配されるのかを、安定同位体13C、15Nを用いて明らかにしました。
 本試験では異なる再生茎生育を示すネリカ品種・NERICA10とインディカ品種・ハバタキを用いて評価しました。その結果、炭素と窒素はNERICA10では地下部再生茎、ハバタキでは地上部再生茎に多く分配し、再生茎の発生部位によって生育・収量が異なることが明らかになり、この炭素と窒素の分配の程度は品種によって異なることが示唆されました。以上より、水稲再生二期作栽培で多収を目指すには、品種毎に再生茎の発育を把握し、適切な栽培管理を行うことが必要であると考えられました。