2024年7月に開催された第59回地盤工学研究発表会(発表件数:1109題)において農学研究科農芸化学専攻博士前期課程1年の東盛竜弥さん、農学部農芸化学科4年の松村和香さん(いずれも土壌圏科学研究室)が優秀論文発表者賞をW受賞いたしました。
◆題目:有機系薬液におけるサンドゲルタイムを制御する土壌成分の解明(東盛竜弥)
薬液注入工法とは、固化時間を任意に調節できる薬液を地盤中に注入し、地盤を固結させる工法です。しかし、土壌種によっては固化時間を想定通り調節できない場合も見られます。本研究では、想定と実際の固化時間のギャップが土壌からの溶出成分に依存すると仮説を立て、両者の違いを生じさせる要因を明らかにすることを試みました。その結果、土壌から溶出する元素、特にAlが想定よりも固化時間を短くする要因であることがわかりました。
◆題目:造粒固化したバイオマス灰の林業利用に向けた植栽土への最適添加率(松村和香)
再生可能エネルギーのひとつである木質バイオマス発電によって発生する木質灰の有効利用が望まれています。本研究では、重金属類の溶出を抑制する造粒固化資材の林地還元を目指し、資材の最適添加率を明らかにすることを試みました。その結果、資材の添加率に応じて養分量が増加したものの土壌pHも高まった。そのため、最適添加率は、5%–10%であることがわかりました。
土壌圏科学研究室HP
http://www.isc.meiji.ac.jp/~soil/