明治大学農学部の協定校であるベルギー・ゲント大学から、リーベン・デ・ベイルダー教授が12月2日に農学部を訪問し、「Restoring a Damaged Root Stem Cell Niche」というテーマで特別講演を行いました。この講演は、農学部の高橋直紀専任准教授の招待により実現し、学生や教員を含む多くの方々が参加しました。
リーベン・デ・ベイルダー教授は、2008年からゲント大学の教授として「遺伝子工学」「植物機能ゲノミクス」「細胞周期」「植物細胞生物学」などの講義を担当し、350名以上が在籍する生化学・バイオテクノロジー教育プログラムの委員長も務めています。
専門分野は植物の細胞周期やチェックポイント制御、幹細胞の維持機構であり、本講演では、植物が損傷を受けた組織や器官を修復するだけでなく、新たな植物体を再構築する卓越した再生能力を持つことに触れ、その基盤となる幹細胞を維持・機能させる仕組みについて解説されました。特に、ERF115転写因子が損傷細胞によって迅速に誘導され、崩壊した幹細胞を補充する重要な役割を果たすことを紹介しました。さらに、ERF115が細胞分裂を活性化させることで、幹細胞が損傷を受けても幹細胞ニッチを完全に回復させるメカニズムについて詳しく説明されました。
講演後の質疑応答では、幹細胞の維持機構や再生の分子メカニズムについて多くの質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。終了後には、高橋直紀准教授より農学部特製の記念品が贈呈され、和やかな雰囲気の中で講演は幕を閉じました。