2025年6月30日(月)・7月1日(火)に大阪公立大学I-siteなんばで開催された微細藻類の国際学会「4th International Congress on Euglenoids(EIN2025)」において、農学研究科・農芸化学専攻・環境バイオテクノロジー研究室(小山内崇准教授)の博士前期課程1年生の樋口春花さんが口頭発表を行い「Best Oral Presentation」を受賞しました。
国際会議には約100名のオンサイトの参加者、約50名のオンラインの参加者が集まり、ユーグレナをはじめとした微細藻類に関する研究発表と議論が行われました。会議では、招待講演とともに、一般口頭発表とポスター発表が行われました。一般口頭発表の部では、国内外の学生から教授までが英語で研究発表を行い、そのうち若手研究者がBest Oral Presentationの受賞候補となりました。Best Oral Presentationは、すべての発表が終わったあとに、国内外のPI(研究室主宰者)の投票により、上位2名に賞が与えられました。
演題:「Improved fumarate titer in cyanobacteria via metabolic pathway engineering」
研究内容:
代謝工学により、シアノバクテリアによるフマル酸生産の増強に成功しました。フマル酸は、プラスチック原料や酸味料などに利用される重要な有機酸ですが、現在の製造は化石資源由来であり環境負荷が課題です。そこで、CO₂を原料とした持続可能なフマル酸生産技術の確立を目指しました。
本研究では、遺伝子工学的手法を用いて、フマル酸生産の主要経路であるアルギニン代謝を改変しました。その結果、フマル酸の力価が従来の約2倍に向上し、高密度培養において3 g/L以上という最高力価を達成しました。本研究は、持続可能な物質生産の実現に向けた代謝工学の発展に貢献します。
環境バイオテクノロジー研究室(小山内准教授)のHPは
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