2025年10月4日(土)~10月5日(日)に京都府立京都学・歴彩館(京都市)にて開催された第32回日本時間生物学会学術大会において、農学部動物生理学研究室(
中村孝博教授)に所属する杉山瑞輝さん(研究知財戦略機構ポストドクター)の発表が優秀演題賞を受賞しました。発表者、演題名および研究内容は以下のとおりです。
Roles of GABA in suprachiasmatic AVP neurons on female reproductive functions
雌性生殖機能における視交叉上核AVPニューロンGABAの役割
杉山瑞輝、三枝理博、中村孝博
研究内容
哺乳類の排卵は、脳の視床下部・下垂体・卵巣が連携してコントロールしています。卵が育つと、エストロゲンというホルモンが増え、それを感じた視床下部がGnRHという物質を出します。すると下垂体からLHというホルモンが一気に分泌され、卵巣で排卵が起こります。
実験動物のマウスでは、このLHの急上昇(LHサージ)は毎回同じ時間に起こり、体内時計(概日時計)が関係しています。体内時計の中枢である視交叉上核(SCN)を壊すと、LHサージも性周期も乱れることも分かっています。
今回私たちは、SCNで働くGABAという神経伝達物質に注目し、その中でもAVPというペプチドを出す神経のGABA伝達を止めると性周期が乱れ、元に戻すと回復することを示しました。つまり、SCNのAVP神経が性周期のリズムを保つのに重要だと考えられます。
日本時間生物学会HP:
https://chronobiology.jp/
動物生理学研究室HP:
https://www.isc.meiji.ac.jp/~chrono/index.html