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農学部学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

目指すべき人材像

 農学部は、「人類の永続性を追求する」という基本理念に基づいて、食料資源である動植物・微生物を対象とした生命科学、環境科学、食料科学及び社会科学など幅広い学理を明らかにすることを教育理念としています。農学部には自然科学系学科と社会科学系学科が共存し、自然科学系、社会科学系、人文科学系の教員が連携・協力していますので、専門分野のみならず、様々な分野を学部内で学ぶことができます。また、先端的な研究・教育設備を配するキャンパスと里山を配する農場という恵まれた環境を生かし、専門的な知識・技術の習得のみならず、全地球的・全生物的視野に立って巨視的に事象を把握し対処することもできる人材を養成することを目的としています。

そのための具体的到達目標

 本学学則に定める期間に在学し、かつ学科ごとに定めた科目群、分野別の最低修得単位数の要件を満たした上で、卒業要件単位数124単位を修得した者に「学士(農学)」を授与します。また、在学中は1年次から2年次への進級条件(A進級判定)、2年次から3年次への進級条件(B進級判定)を設け、さらに卒論関係科目の履修条件(研究室入室条件)を別に定めることで、到達すべき最低目標を明確にしています。
 各学科の到達目標は次のとおりです。

農学科:
 農学科には「食糧生産・環境コース」と「総合農学コース」があり、農学分野における専門知識や最新の科学・技術を修得して応用することで、持続的共生社会の構築に向けて地域・国際社会で活躍できる能力を身に付けた人材を育成します。
(1) 地球環境の保全と多様な文化の共存を考える素質と能力
(2) 持続的食糧生産および豊かな自然環境を保全するための幅広い知識と技術
(3) “農”“食”“環境”に係わる問題の発掘と,それに取組み解決する行動能力
(4) 公開の場での発表および討論する能力

農芸化学科:
 農芸化学科では、農芸化学分野における専門知識および実践的な実験技術を習得することにより、生活に密着した食品・環境などに関わる諸問題を解析し解決に導くことができる人材を育成します。
(1) 農芸化学分野の専門知識
 食品・環境などに関する実践的な知識を身につけ、基礎的な技術を理解する。
(2) 調査、実験ができる能力
 学術界・および産業界から新しい知識や広範な技能を貪欲に習得する習慣を身につける。
(3) 協調的に人間関係を構築する能力
 建設的な議論を行い、協調して課題に取り組むことができる。
(4) 多面的な見方ができる能力
 幅広い農芸化学分野の情報を体系づけて整理し、新たな視点を見いだすことができる。
(5) 問題点を発見・分析・解決する能力
 生活に関わる食品・環境などに関する諸問題を見いだし、専門的な知識と技術に基づいて具体的な解決策を立案できる。

生命科学科:
 生命科学科では,動植物・微生物における生命活動を分子レベルで理解することを基盤として 人類の直面 する様々な問題に対して解決できるような 生命科学分野で専門家として活躍する人材や 広い視野と総合的な判断力を持った人材を育成します。
(1) 生命科学の知識
 生命科学の基盤となる自然科学の基礎知識を習得し、それらを基礎として専門分野の幅広い知識および専門性を身につけている
(2) 課題発見・解決力
 体系づけられた知識を基に、総合的・客観的な判断力と広い視野をもって課題を発見するとともに、その解決策を主体的に立案し、協調性をもって実践する能力を身につけている
(3) プレゼンテーション・論文作成能力
 研究成果について論理的に発表し、討論するためのプレゼンテーション・コミュニケーション能力、および論理的記述力を身につけている
(4) 研究成果を社会に還元するための判断・行動能力
 現代社会における生命科学の位置付けや、科学や技術が自然や社会におよぼす影響について理解し、研究成果を社会に還元するための倫理的視点をそなえた価値判断・行動ができる

食料環境政策学科:
 食料環境政策学科では、人類の生存基盤と福祉に関わる食料・農業問題と環境・資源問題について、社会科学の観点から、個人、地域から地球規模までを広く視野に入れ、問題解決への道筋を考究し、行動できるような専門性と総合性を兼ね備えた人材を育成します。
(1) 食料と環境にかかわる幅広い基礎的な知識の習得
 食料環境政策学の基盤となる社会科学(経済学、社会学、政策学、経営学、会計学、開発学など)や農学の基礎的な知識と手法を習得し活用できる。
(2) 食料と環境にかかわる専門的な知識の習得
 食料・農業問題と環境・資源問題にかかわる専門的な知識と手法を習得し活用できる。
(3) フィールド科学的手法を通した問題発見解決能力の習得
 フィールド科学的手法を通して,課題を発見し解決する能力を習得し,問題解決に向けた実践的な行動ができる。
(4) コミュニケーション・説明力の習得
 批判的思考力や多角的視野から、コミュニケーションやプレゼンテーションが円滑にできる。
(5) 国際感覚の養成
 広い視野と社会的な良識を持ち、グローバルな視点から多面的に食料と環境にかかわる問題を考察する能力を身につける。