Go Forward



群馬県武井遺跡
赤城山の南麓には、数多くの旧石器時代遺跡が残されている。大半が槍先形尖頭器文化
期の遺跡で、大規模に石器作りがおこなわれていた。その代表例が、群馬県桐生市の武井
遺跡群である。本発掘は、武井遺跡群の成り立ちを探る目的で、2010年から毎年継続して
実施している。

北原遺跡の発掘調査

 北原遺跡の発掘調査
2009年3月に実施した茨城県筑西市北原遺跡の発掘調査。弥生時代中期の再葬墓という墓制の調査を目指したが、古墳時代前期の住居跡群が折り重なっており、弥生時代遺構の調査は次回に持ち越された。

舟津山古墳測量調査

茨城県石岡市周辺の大型古墳の体系的測量調査
 茨城県南部、霞ヶ浦沿岸地域には古墳時代中期~後期の前方後円墳、大型円墳が多数存在する。これは、石岡市に奈良時代の国府、国分寺・国分尼寺が置かれ、またそれ以前の5世紀に東日本第2位の規模を誇る舟塚山古墳が築かれたことの無関係ではないと考える。しかしながら、20世紀末まではその大多数が未調査であったため、2001年以来、石岡市の南東隣の小美玉市(旧玉里村)、かすみがうら市(旧出島村)、さらに行方市(旧玉造町)所在の古墳を継続して測量してきている。同時に埴輪を採集し、年代を推定、この地域における首長系譜の継続と断絶に迫る。写真は2012年3月、8月測量の舟塚山古墳(茨城大学人文学部と東京学芸大学教育学部との合同調査)。

 

これまでの主な調査、研究課題を時代別に列記します。 (★は国史跡、重要文化財)
調査内容 研究課題
旧石器時代研究の開拓と体系化 群馬県岩宿遺跡★、埼玉県砂川遺跡★、
北海道白滝服部台遺跡など
縄文文化の起源 神奈川県夏島貝塚★、平坂貝塚など
縄文文化の終焉 岩手県雨滝遺跡、宮城県山王遺跡★、
愛知県五貫森貝塚など
弥生文化の成立と展開 福岡県板付遺跡★、愛知県西志賀遺跡、
栃木県出流原遺跡★など
東日本での古墳文化の展開 長野県大室古墳群★、茨城県虎塚古墳★、
馬渡遺跡★、埼玉県五領遺跡など
現在調査中の主な遺跡は次の通りです。
遺跡 概要
群馬県武井遺跡群 旧石器時代
千葉県曲輪ノ内貝塚 縄文時代の「環状盛土」
長野県大室古墳群 古墳時代中~後期の積石塚古墳群
茨城県石岡市周辺の古墳群 古墳時代中・後期の前方後円墳・大型円墳の測量など