ニュートンの時代、天体運動の説明は3つ以上の天体間では困難でした。しかし19世紀にポアンカレが幾何学的な考え方を用いて天体が将来どう動くかを結論できる仕組みを作りました。これが力学系の起源です。
今日はおもしろい数列の定理をご紹介しましょう。漸化式で定まる数列で初項から3項進んだ時に初項の値と同じになる時、3つ進むと最初の項に戻るので、その後はこの3つの動きを繰り返します。この初項を周期3の周期点といいます。初項を変えてどのような周期点があるかを考えます。3から先の奇数を小さいほうから順に並べ、つぎにその2倍を並べ、さらにその2の2乗倍、2の3乗倍、と並べます。残った1と2のn乗はその先に逆順に並べます。これがシャルコフスキーの順序です。シャルコフスキーの定理は、周期点が1つあればその周期より右の周期をもつ周期点も必ずある、というものです。一見単純な数列の世界にある調和のとれた法則といえます。
高校生は数Ⅲで数列の極限を習うと思いますが、その先にはこのようなおもしろい世界が開けています。興味のある方はぜひ自分で調べてみてください。自ら課題を設定し、考え、解決しようとすることは大切なことです。それは同時に数学本来の楽しさでもあるのです。