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百年たっても興味の尽きない力学系の世界
明治大学 総合数理学部 現象数理学科 佐藤 篤之
ニュートンの時代、天体運動の説明は3つ以上の天体間では困難でした。しかし19世紀にポアンカレが幾何学的な考え方を用いて天体が将来どう動くかを結論できる仕組みを作りました。これが力学系の起源です。
今日はおもしろい数列の定理をご紹介しましょう。漸化式で定まる数列で初項から3項進んだ時に初項の値と同じになる時、3つ進むと最初の項に戻るので、その後はこの3つの動きを繰り返します。この初項を周期3の周期点といいます。初項を変えてどのような周期点があるかを考えます。3から先の奇数を小さいほうから順に並べ、つぎにその2倍を並べ、さらにその2の2乗倍、2の3乗倍、と並べます。残った1と2のn乗はその先に逆順に並べます。これがシャルコフスキーの順序です。シャルコフスキーの定理は、周期点が1つあればその周期より右の周期をもつ周期点も必ずある、というものです。一見単純な数列の世界にある調和のとれた法則といえます。
高校生は数Ⅲで数列の極限を習うと思いますが、その先にはこのようなおもしろい世界が開けています。興味のある方はぜひ自分で調べてみてください。自ら課題を設定し、考え、解決しようとすることは大切なことです。それは同時に数学本来の楽しさでもあるのです。
今日はおもしろい数列の定理をご紹介しましょう。漸化式で定まる数列で初項から3項進んだ時に初項の値と同じになる時、3つ進むと最初の項に戻るので、その後はこの3つの動きを繰り返します。この初項を周期3の周期点といいます。初項を変えてどのような周期点があるかを考えます。3から先の奇数を小さいほうから順に並べ、つぎにその2倍を並べ、さらにその2の2乗倍、2の3乗倍、と並べます。残った1と2のn乗はその先に逆順に並べます。これがシャルコフスキーの順序です。シャルコフスキーの定理は、周期点が1つあればその周期より右の周期をもつ周期点も必ずある、というものです。一見単純な数列の世界にある調和のとれた法則といえます。
高校生は数Ⅲで数列の極限を習うと思いますが、その先にはこのようなおもしろい世界が開けています。興味のある方はぜひ自分で調べてみてください。自ら課題を設定し、考え、解決しようとすることは大切なことです。それは同時に数学本来の楽しさでもあるのです。
佐藤 篤之 / 力学系・葉層構造
いろいろな図形(多様体)での力学系を研究しています。通常考える平面や空間(2次元・3次元のユークリッド空間)以外にも所謂「曲がった空間」がたくさんあります。このような図形の上で「法則」(写像)で定まる点列の挙動を調べる、あるいは図形の上で吹く風に乗って動いた軌道を調べるのが力学系です。風の軌道は1次元の線ですが、軌道の次元を上げて考えると、それらは(局所的に)葉が積み重なったように見えます。これが葉層構造です。
数理のチカラ : 現象数理学科
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