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独立行政法人 国際協力機構(JICA) 市川建作さん(2012年卒業)

独立行政法人 国際協力機構(JICA) 市川建作さん(2012年卒業)

プロフィール



2012年明治大学 政治経済学部 地域行政学科を卒業後、一橋大学 国際・公共政策大学院 公共経済プログラムを経て、2014年独立行政法人国際協力機構(JICA)に総合職として入構。
現在、ミャンマー事務所に配属。
2021年12月からスペインのIE Business Schoolに留学予定。
大学時代は政治経済学部が提供するACE(英語実践力特別強化プログラム)や、マレーシアへの交換留学、新田功先生のゼミナール等を通じて語学・統計学・経済学に注力。

現在の仕事について

日本の政府開発援助(ODA)を実施するJICAにおいて、途上国の開発課題解決のための社会基盤整備や人材育成事業の形成・監理をしています。
入構後、1部署目で東京の本部においてインドの上下水道、病院、鉄道といったインフラ整備のための融資事業の形成、2部署目でアジア・アフリカ地域の病院・学校建設のための無償資金協力の監理を担当してきました。現在3部署目のミャンマー事務所においては、病気やけが、出産などの必要な時にミャンマー国民が十分に検査や治療を受けられない状況や、マラリアなどの主要感染症や昨今猛威を振る新型コロナウイルスといった新たな感染症の検査や治療が十分に行えない状況等を改善するため、病院施設・医療機材の整備や保健医療人材の育成の事業形成・監理を行っています。

現在の仕事を選んだきっかけは?



学部在学中のマレーシア交換留学時に、現地の浄水場を訪問した際、資金不足等により水道管の更新が適切に行われていない状況を知り、インフラ整備における資金調達の重要性を認識しました。
さらに、現地の学生との日々の交流を通じて、出身国の経済水準という自ら選べない環境要因がその国の人々の取りうる選択肢に大きく影響していることをごく身近なこととして実感しました。以降、インフラ整備の資金調達を通じて途上国と日本の発展に貢献できる仕事に従事したいと考えるようになり、現在の仕事を選ぶに至りました。

現在の仕事について、学生時代に抱いていたイメージとギャップを感じるところは?



学生時代には、開発プロジェクトは出来上がった型にはめて作れるものと安易に考えていたところがあったように思いますが、実際に担当してみて各国の事情や要望、活用できるリソースに合わせたオーダーメードであるとつくづく実感しています。

仕事をしていて一番うれしかったことは?

ODA事業は形成から完成まで長いものは10年を超える事業サイクルを経るものも少なくない中、運よく、案件の形成から担当した建設案件の完工を見届けることができ、現地メディアで大々的に報道された際には嬉しかったです。

また一番つらかったことや苦労したことは?



入構間もないころにインド南部の病院整備のための融資事業を担当しました。
同国の同分野の融資事業としては最初の事例だったため、手探りの中での案件形成は苦労しました。他国の事例の情報収集や専門家への意見聴取等、各方面からサポートを得ながら、何とか案件形成の最後のステップである貸付契約まで持っていくことができ、大変な経験ではあったものの、成功体験の一つとなっています。

在学時の学びが現在の仕事に生かされていることは?

現地政府や国連機関等との協議、文書の作成には英語を使用するので、語学は在学時に学んだものの中でよく使うものの一つですし、プレゼンやディスカッションの時の度胸や心構えはACEやゼミ、交換留学で培ったところもあります。また、学部の講義やゼミで読んだ本から得た経済、金融、統計、法務などの知識を、仕事や日常的な意思決定に活用するなど、考え方のベースとして役立っています。

在学時の経験から、おすすめの授業、プログラム、学部独自の支援は?



統計学、計量経済学、マクロ・ミクロ経済学、金融、ACE、交換留学プログラム、異文化コミュニケーション、心理学、情報基礎、教養演習(1・2年)、専門演習(3・4年)からの学びは実社会で活用できる場面が多かったように思いますのでお勧めです。

政治経済学部在学生に向けてメッセージをお願いします。

様々な選択肢がある中から将来の仕事を考える上では、①自分がやりたいこと、②自分ができること、③社会や企業に求められていることの3つが重なっている領域を意識することが、自分にとって良い選択につながるのではないかと思います。
講義やゼミ、インターン、起業、投資、留学、サークルなど何でもいいので、学生時代の活動をこれら①~③を把握・向上させる取り組みとしてとらえると、有意義な過ごし方ができるのではと思います。