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財務省関東財務局 智井秀一さん(2017年卒業)

財務省関東財務局 智井秀一さん(2017年卒業)

プロフィール



2017年明治大学政治経済学部経済学科を卒業後、財務省関東財務局に入局。
現在、東京財務事務所に配属。入局5年目。大学時代は、ゼミ・アルバイト・ボランティア活動に力を入れていた。奥山誠先生のゼミナールに所属。

現在の仕事について

財務局は大別して、金融機関の検査監督・国有地管理の2つの業務を行っています。そのため、私のキャリアもこれら2つの業務に関連したものとなっています。
自身のこれまでのキャリアを順を追って説明すると、
・1年目:銀行の監督部門にて地方銀行などの経営状況などを監督
・2・3年目:フィンテック(金融分野へ高度なIT技術を導入すること)関連企業に関する新しい法制度の運用(霞が関出向)
・4年目~現在:国有地の管理・売却業務
というように、幅広い分野の業務に携わってきています。
幅広い業務へのコミットメントを通じて鑑識眼を養い、私の存在がより良い政策形成・執行の一助となるという目標を持って、日々業務に取り組んでいます。

現在の仕事を選んだきっかけは?

まず、国家公務員の全職種に共通して通ずる発想ですが、自身の良心に従って仕事を進められることが挙げられます。
その中でも、財務局を選んだ理由は、霞が関よりも事業者や国民と近い距離でコミュニケーションを図ることができ、かつワークライフバランスが充実していることが極めて大きなものでした。

現在の仕事について、学生時代に抱いていたイメージとギャップを感じるところは?

役所が解決すべき課題には明確な答えが無いものが多く、時に「柔軟な思考力」が求められますが、この柔軟な思考力を備える人が意外と不足している点です。
他方、若手職員の中には、粉骨砕身かつ身を投げ打つような意識で、様々な課題解決に前向きに取り組んでいる方もいます。
こちらは「杓子定規」と揶揄される役所のイメージの対極を行っており、ポジティブな文脈でのギャップと言ってよいでしょう。

仕事をしていて一番うれしかったことは?

フィンテック担当として霞が関に在籍していた際、私のジャストアイデアが基となって形作られた施策が実際に実行され、多くの企業より施策を発案・実行させた点に関して感謝されたことです。
これに限らず、我々の業務は時に社会に大きなインパクトを与えることがあり、自身が関与した案件がステークホルダに良い影響をもたらした際には、常々喜びを感じています。

また一番つらかったことや苦労したことは?

1年目に、そりの合わない上司と1年間同じ課で働いたことです(笑)。飴とムチという言葉が似合う上司でした。
業務量や業務の難易度といった要素も、当然辛さ・苦労に関係しますが、それと同じレベルで、共に働くメンバーの性格も辛さなどに大いに影響するということを痛感しました。

在学時の学びが現在の仕事に生かされていることは?

私がゼミで学習した経済思想という学問に限らず、我が国において文系に分類される学問を通して得た専門的知識そのものは、はっきり言って行政の実務に直接生きることはあまりありません。経済学に比較的近しい金融関係の業務を行ってきた自身ですら、業務で生きたと感じた知識は統計やマクロ経済学に関するもの程度でした。
ただし、ゼミでの学習では、必ず書物を真剣に読み漁ったり、論理的に物事を考えて先生や他の学生と議論を交わしたりするといった経験をすることとなるはずです。
これらの経験は、我々が日々の業務で大変重視している「知識のインプットとアウトプット」のフレームワークと大変親和性が高く、今でもゼミの経験が大いに生きているものと実感しています。

在学時の経験から、おすすめの授業、プログラム、学部独自の支援は?

是非、3・4年時のゼミに入室してください。
ゼミというと、就職活動対策の一点に注目される方もいらっしゃいますが、むしろ専門的知識や「一般教養」を身につける場として大いに有効であると考えています。
政治経済学部の先生方は知識・見識深い方が多く、加えてゼミにはサークルよりも多種多様なバックグラウンドを持つ学生が集います。それゆえゼミを通じて多種多様な知識を得られるのに限らず、先生方・ゼミ生との対話を経て、人格面での成長も期待されます。
また英語学習への意欲を高く持っている方は、英語実践力特別強化(ACE)プログラムを活用してみましょう。
高い志を持って英語学習に臨む沢山の学生と切磋琢磨することができますし、レベル別に多くの講義が用意されていて、かなりやりがいのある講義だと思っています。

政治経済学部在学生に向けてメッセージをお願いします。

コロナ禍や近年のデジタルトランスフォーメーションにより、我々が従前何の疑問も抱かず受け入れてきた社会的習慣が、少しずつですが変わりつつあります。
政治経済学部が取り扱う政治や経済といった学問は、まさにその習慣の変容に真正面から取り組むものでしょう。

未だにコロナ禍は落ち着きを見せてくれませんが、是非とも逆境にも負けず勉学と友人・仲間作りに励み、見識深く柔軟な発想を備えた方となられてください。