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政治経済学部

2012年度韓国短期留学実施報告

2012年10月12日
明治大学 政治経済学部事務室

忠南大学 日語日文学科長よりご挨拶忠南大学 日語日文学科長よりご挨拶

忠南大学 韓国学生の学生生活を学ぶ様子忠南大学 韓国学生の学生生活を学ぶ様子

忠南大学 日語日文学科にてユン・へヨン先生とともに学生間交流忠南大学 日語日文学科にてユン・へヨン先生とともに学生間交流

忠南大学韓国文化体験プログラム 韓国民族衣装体験忠南大学韓国文化体験プログラム 韓国民族衣装体験

扶余(プヨ)百済の山城跡 落花岩扶余(プヨ)百済の山城跡 落花岩

延世大学 原州キャンパス シンボルの鷲延世大学 原州キャンパス シンボルの鷲

延世大学 原州キャンパス 延世大生との交流会 中国からの留学生も参加延世大学 原州キャンパス 延世大生との交流会 中国からの留学生も参加

延世大学 原州キャンパス 引率教員池田先生とエンブレムの前で延世大学 原州キャンパス 引率教員池田先生とエンブレムの前で

延世大学 ソウルキャンパス 伝統ある本館延世大学 ソウルキャンパス 伝統ある本館

延世大学 ソウルキャンパス ソ・ジョンミン先生による特別講義延世大学 ソウルキャンパス ソ・ジョンミン先生による特別講義

ソウル 引率教員小西先生と景福宮にてソウル 引率教員小西先生と景福宮にて

政治経済学部の韓国短期留学プログラム(8月30日~9月14日)が無事終了いたしました。

本学部の留学促進プログラムのうち、「アジアで活躍するグローバル人材」の育成を目的としたものの一つです。延世大学にて英語で行われる専門講義の受講を中心に、韓国の政治・経済・社会・文化・歴史を理解するという内容のものです。応募資格として韓国語力は問われません。今年度は日韓関係の問題が取りざたされていたにもかかわらず、本学部の池田教授、小西教授の引率のもと、9名の学生が渡航しました。

 

本プログラムではまず、大田(テジョン)にある国立忠南大学で「韓国文化体験プログラム」に参加しました。扶余(プヨ)にある旧百済の都と博物館の見学に続いて、延世大学原州(ウォンジュ)キャンパスにあるCollege of Government and Business で、英語で行われる通常授業に2週間参加しました。また、授業のない1週間目の週末を利用してソウルに行き、延世大学新村(シンチョン)キャンパスで特別講義を受けるとともに、歴史上日本とかかわりのある諸施設見学と北朝鮮との非武装地帯ツアーに参加しました。すべての行程で何の安全上のトラブルもありませんでした。

 

・大田と扶余

 

大田屈指の国立忠南大学では日語日文学科が主催する「韓国文化体験プログラム」に参加しました。韓国語の初歩を学ぶとともに、様々なプログラムの中から学生の要望が多かった「伝統衣装の試着体験」と「サムノリ韓国音楽体験」に参加しました。プログラムでは教員のみならず、忠南大学生からの暖かいサポートも受けました。韓国の学生文化・遊びを学び、交流を深める場面もありました。

大田から延世大学原州キャンパスへの道中で、旧百済の都があった扶余に立ち寄りました。日本に仏教を伝え、飛鳥文化に大きな影響を与えた百済の山城跡と百済滅亡の時官女たちが飛び降りた落花岩を見学した後、白馬江を船で下って、高い技術を誇った百済の仏教美術品(国宝)がそろう扶余博物館を見学しました。

 

・原州

 

韓国三大大学の一つ・韓国で最も国際化が進んだ大学として名高い延世大学では、受け入れ先であるCollege of Government and Business (受入担当教員 ユ・ガンス教授)で、キム・パンスク 学部長ご承認の下、政治・経済・歴史・文化に関する英語の専門授業を2週間受講しました。30科目以上ある専門科目の中から、各学生とも専門に応じて任意で聴講しました。

滞在中は、教授方の声掛けで集まった延世大学「サポーター学生」が、滞在していた寮のことから生活のことまで手厚くサポートしてくださいました。明治大学・延世大学の意見交換会なども通じて交流を深めた学生たちは、2週間の滞在が終了するころには共に離れがたいほどの友人となりました。

最終日には延世大学の学生サポーターと主に、原州の特産品である韓紙(ハンジ)の博物館ツアーを行い、日本の和紙とは違う紙の使い方を見学しました。その後、延世大学の先生方・学生たちと懇親会を行い、全員が英語と韓国語で会話をし、別れを惜しみました。

 

・ソウル

 

ソウルでは光化門、景福宮、タプゴル公園等歴史上日本と関わりのある諸施設を見学するとともに、北朝鮮との非武装地帯を見学するツアーにも参加しました。ツアーでは北朝鮮軍が韓国側に兵隊を送れるよう秘密裏に掘られ、現在存在が確認されている4つのトンネルの一つ、第三トンネルと、北朝鮮を最も近くから見ることのできるトラ展望台を見学しました。

また、延世大学新村キャンパスでは、政治外交学科のソ・ジョンミン先生から、韓国政治に関する特別講義を頂きました。「Master Narrative」 という考え方を切り口に、韓国の現代政治史を振り返りながら、韓国政治の現況を分析する内容でした。明治の学生からは活発に質問が出ていました。

 

参加した学生たちは、隣国でありながら日本と韓国の文化に大きな違いがあることを肌で感じるとともに、その違いを乗り越えて交友関係が築けることを体感しました。16日間の滞在を通して、学生たちはさらに長期の海外留学など海外とのかかわりをもちたいという気持ちを強めたようです。

 

以下ご参考まで、本年度参加学生を対象としたアンケートの内容を抜粋、掲載します。

 

 

・1年生

-初めて海外に出るきっかけとなった今回の韓国短期留学を通し、たくさんの価値ある体験をし、経験を積みました。

特に日本ではない外国の中、韓国で暮らし、大学での授業や日常生活の中で特有の文化や人々を知るにつれこの国についてもっと知りたいと思い、自ら学ぶことが出来て自分の成長につなげられたのだと思います。

また、韓国語での自己紹介や英語での会話や交渉を通じ、外国語をコミュニケーションに使えたという実感に感動し、様々な人と交流を深められたことが本当に嬉しかったです。

日本と土地だけでなく、文化の面からも密接な韓国だからこそ、興味を持ち多くのことを学ぶことが出来ました。

 

-私は今回初めて韓国に訪れ、韓国人の親切さやマナーを忠実に守っている姿が最も印象に残った。留学に行く前は、竹島(独島)問題のさなかで、独島は韓国の領土であると教わってきた学生から危害を与えられないかと不安な気持ちでいたが、出会った韓国人の学生、教授、地元の方々すべて私たちを快く迎え入れてくれ、すぐに打ち解けて接することができた。韓国留学の優れているところは、英語を必然的に用いる場面が多いところにあると思う。英語圏では辞書で調べれば自身で解決できてしまうが、ハングルは全く分からないため、人に尋ねるしかなく、英語を話し返答も英語であるため、英会話力はかなり向上したと感じた。忠南大学ではあらゆる韓国の文化を体験でき、韓国の文化、伝統を深く学べた。延世大学は自然に囲まれ、勉強するには最適な環境が整っており、遊ぶものはなくとも、キャンパス内で人と接する機会や24時間あいている図書館は学生には最適であると思った。

 

・2年生

-延世大学での授業を通して私は、多くの知識を得たとともに自分の英語力の不足を改めて痛感しました。授業は少なくて4~5人、多くて40人程度のクラスで、どちらも体験しましたが、雰囲気は日本のものとあまり変わりはありませんでした。しかしどの授業にも必ずグループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションのうちどれか1つがあり、日本にはなかなかないことなので驚きました。英語だけで政治や経済について学ぶのは初めての経験だったので聞き取るのに必死だったうえ、英単語の意味が分からないなど混乱することも多々ありましたが、これをきっかけにもっと自分の英語力を上げていきたいと思いました。

 

-今回のプログラムの魅力は、短期だからこそ留学という新たな挑戦に向けての最初の一歩にしやすいことと、今までなかなか知ることができなかった韓国について知ることができることと、そして何より改めて日本について考えるきっかけになることだと思います。海外に行っていつも愕然とすることは、日本人でありながら自分があまりにも日本について知らないことに気づかされることです。それは恥ずかしいことですが、とても良いきっかけになります。今回の短期留学を通して、改めて日本について考える良い機会を得ることができました。

 

・4年生

-授業について。英語を英語で学ぶのではなく、英語で専門科目を学びます。そのため、英語に触れる時間が圧倒的に多くなり、それに付随して専門用語なども効率よく学べると感じました。授業の初めにも、先生が『韓国人でない生徒は何人いますか』とお尋ねになる場合が多く、留学生がいるのが普通になっている印象をうけました。また、大人数の授業でもほぼ全ての教授が受講生にプレゼンテーションやディスカッションを課します。頻度としては31度というものです。学生が選択肢の中から選んだトピックについて各自調べ上げパワーポイントなどで発表するという形式。紹介される参考書も韓国語で書かれたものでなく、全て英語によるものでした。こういった環境は本気で学ぼうとする学生にはとても良い環境だと感じます。