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政治経済学部

川嶋周一ゼミナール(国際関係史)が、東京大学法学部、慶応義塾大学法学部、同大学総合政策学部、法政大学法学部のゼミナールと合同ゼミを実施しました

2025年01月24日
明治大学 政治経済学部事務室

基調講演の様子基調講演の様子

前列左より、板橋拓己(東京大学)、細谷雄一(慶応義塾大学)、川嶋周一(明治大学)、鶴岡路人(慶応義塾大学)、宮下雄一郎(法政大学)【敬称略】前列左より、板橋拓己(東京大学)、細谷雄一(慶応義塾大学)、川嶋周一(明治大学)、鶴岡路人(慶応義塾大学)、宮下雄一郎(法政大学)【敬称略】

 2025年1月11日、東京大学本郷キャンパス法文2号館22号教室において、本学部の川嶋周一ゼミナール(国際関係史)が、東京大学法学部(板橋拓己ゼミ)、慶応義塾大学法学部(細谷雄一ゼミ)、同大学総合政策学部(鶴岡路人ゼミ)、法政大学法学部(宮下雄一郎ゼミ)のゼミナールと四大学合同ゼミを実施しました。本合同ゼミは、2017年度から本学部川嶋ゼミと慶応大学法学部細谷雄一ゼミとの合同ゼミから始まり、ヨーロッパ外交史を専攻し院生時代から知己を得ている教員のゼミが集まって開催されているものです。
 本年度は、持ち回りで、東京大学本郷キャンパスで開催され、四大学の五つのゼミから計50名を超す学生(一部大学院生も参加)が集まりました。本学ゼミからは、三年生だけでなく4月から本ゼミに入室予定の二年生もボランタリーな形で参加しました。本合同ゼミは毎年二部構成になっており、第一部で全体的なテーマ設定に基づく基調講演およびその内容に関する教員間でのパネルディスカッション、質疑応答、第二部では参加学生間でのグループディスカッションが実施されています。

 第一部では、2024年9月に刊行された川嶋周一著『独仏関係史:三度の戦争からEUの中核へ』(中公新書)を基に、著者本人による基調講演を行いました。講演では、独仏関係を歴史的に通覧する意味や著書の内容のコンパクトな紹介と共に、ウクライナ戦争以後において、ヨーロッパ国際関係や独仏関係がいかなる変容を遂げていくのかについての概括的な展望が示されました。これを受けて、参加教員らによるパネルディスカッションを行い、また参加学生と著者との間で質疑応答が行われました。

 第二部では、ウクライナ戦争後の独仏関係がいかなる役割を今後果たしていくのかにをテーマに、学生間でのグループディスカッションが行われました。議論の結果、多くのグループが、独仏関係の重要性は歴史的に見れば相対的には低下しつつも、それでも他のアクターとの関係性においてはそれなりの重要性を発揮し続けるのではないか、という結論に至ったのが印象的でした。独仏関係は、ヨーロッパ国際関係を学ぶ際外すことが出来ない重要なテーマですが、同時に、ヨーロッパ全体の枠組みやドイツ外交、フランス外交について一定程度の知識が必要という意味で応用的なテーマであり、この問題に触れたことのない人にはなかなかハードルが高いテーマだったのかもしれません。しかし本ゼミから出席した学生は他大学の学生と混じって、アカデミックな議論をこなしつつ、その後の懇親会でのリラックスした雰囲気での交流などを行っていました。ゼミ生からは、非常に高いレベルの議論に接したことで大変刺激的になったとの声が多数聞かれました。本ゼミでは、このような他大学との学術的交流を行い、今に活きる質の高い国際関係分析がどのようなものなのかを学生の皆さんに実感できる場の提供を行っています。 (文責:川嶋周一)

【参加学生からの声】
 今回初めてセミナーに参加したが、参加している学生らの知識の豊富さや、新しい知見に対する貪欲な姿勢が非常に自身の刺激になった。中にはゼミで学んだ私達より発展的な質問をしている学生もおり、正直悔しい想いも残った。彼らとディスカッションする中で得た学びは多く、今後自分がしていくべき学習の指針が明確になった。(本ゼミ3年生、Mさん)