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一般社団法人共同通信社 筒渕朱音さん

一般社団法人共同通信社 筒渕朱音さん(2024年卒業)

プロフィール

一般社団法人共同通信社 筒渕朱音さん(2024年卒業)

2024年明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、一般社団法人共同通信社に入社。編集局メディアセンター放送編集部に所属。入社2年目。 大学時代は地元の広報やオーケストラ活動に力を入れていた。 木寺元先生のゼミナール(政策デザイン)に所属。千葉県立千葉高等学校卒。

現在の仕事について

アナウンスした速報は、放送局内に流れます

新聞用の記事を、放送局のアナウンサーの原稿に書き直す業務に携わっています。「聞く」ニュースは「読む」ニュースと違い、途中で分からなくなっても戻れません。新聞記事から「核」となる情報を切り出し、分かりづらい表現はやさしく、簡潔に、原稿を仕立てます。 所属部署以外では、社会問題の解決に取り組む方を取り上げる番組「超DIG!」を共同通信公式YouTube上に立ち上げ、企画から取材、収録まで行っています。

現在の仕事を選んだきっかけは?

共同通信のほかテレビ局やファッション誌でもアルバイトを経験し、生放送の討論番組では「視聴者から電話で意見を聞き取り、アナウンサーが読める形にまとめる」という業務にあたりました。タイムリミットがある中、誤解のないよう簡潔に文言をまとめるという緊張感が好きで、近いことをしたいと見つけたのが今の仕事です。

現在の仕事について、学生時代に抱いていたイメージとギャップを感じるところは?

良くも悪くも真面目でお堅く、トップダウンのイメージがありました。しかし前述のYouTube番組を企画したのは、入社1年目の秋です。アイディアを相談できる先輩がいて、形にできる環境があります。 それから「深夜勤務ありのシフト制」と聞いたときはどうなるかと思いましたが、3カ月もすればすっかり慣れました。宿直明けに、平日限定のお安め価格で美容室に行くなど、今ではこの働き方をフル活用しています。

仕事をしていて一番うれしかったことは?

自分の書いた原稿が初めて放送にのった時は、嬉しくて録音してしまいました。デスクトップに大切に保存し、気が緩んだときに聞き返しては初心に立ち返っています。 また取材相手に「取り組むべきことを、再考するきっかけになった」と伝えていただくときにも、やりがいを感じます

また一番つらかったことや苦労したことは?

政治経済、裁判、スポーツとあらゆる分野の記事を扱い、放送時間に間に合わなければ意味のない、シビアな仕事です。特に台風への警戒など命にかかわるニュースは緊張感があり、気象庁の発表がなかなか理解できないときには知識のなさを痛感します。しかし部署には気象予報士の資格を持つ先輩(明大OB)がいて、アドバイスをもらいながら乗り切っています。 24時間365日動き続ける報道の世界は刺激的で、学びの連続です。

在学時の学びが現在の仕事に生かされていることは?

大学生観光まちづくりコンテストではグランプリを獲得

「今見ているものが、すべてではない」ことを学びました。 木寺ゼミでは、福島県・浜通りについて考えていました。ソーラーパネルがきれいに並ぶ様子など、希望を感じる写真ばかりを見ていたため、実際に車で回って、税率5%のまま残された看板を見たときには衝撃を受けました。そして何より、町の方の「2000人以上の地権者がふるさとの土地を手放し、つらい思いをしている」「”物事が進んでいる”という報道が悔しい」ということばが、忘れられません。 物事には、写真一枚や文章数行では決して切り取れない背景があります。ことば一つで誰かを傷つけることがないよう、細心の注意を払っています。

在学時の経験から、おすすめの授業、プログラム、学部独自の支援は?

履修科目のひとつであり、合否に一喜一憂する必要はありませんが、ゼミへの入室はおすすめします。私はコロナ禍で「居場所になる」と約束してくれた木寺ゼミに入りました。深夜までオンライン会議をするなどゼミでの日々は青春そのもので、「大学生になってマジになるなんて・・・」とどこか冷めていた私を変えてくれました。
また基礎マスコミ研究室(現メディア表現ラボ)では貴重なアルバイトも紹介していただき、夢にぐっと近づけました。

政治経済学部在学生に向けてメッセージをお願いします。

 夢は恥ずかしくても口に出してみてください。 言霊とも言われますが、逆算しながら日々を送れるはずです。そして何より、明治大学にはヒントをくれる人、背中を押してくれる人が必ずいます。 皆さんの学校生活が実りあるものになるよう、陰ながら祈っています。