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理工学研究科

【理工学研究科・応用化学専攻】福田龍一さん(博士前期課程1年)の研究発表が、第45回日本バイオマテリアル学会大会で「ハイライト講演」に選出されました

2023年11月21日
明治大学 理工学部事務室

 理工学研究科応用化学専攻博士前期課程1年の福田龍一さん(生体関連材料研究室)の研究発表が、2023年11月6日・7日に開催された第45回日本バイオマテリアル学会大会において、「ハイライト講演」に選出されました。

 福田さんが所属する生体関連材料研究室(相澤守教授)では、生体骨と近い化学組成をもち、生体内で吸収・置換されるリン酸三カルシウムに、血管新生抑制剤を担持させた Drug Delivery System(DDS) に基づく、新規ながん化学塞栓療法の確立に取り組んでいます。本研究では、超音波噴霧熱分解法を用いて、球状のリン酸三カルシウム微小球を試作し、抗がん剤を担持させたものを、マウス由来の悪性黒色腫 (B16-F10 細胞) による担ガンマウスモデルに投与し、その抗腫瘍効果を調べました。腫瘍径測定の結果、Control と比較して、抗がん剤のみと抗がん剤担持微小球群は腫瘍成長を有意に抑制することが分かりました。特に、抗がん剤担持微小球群は顕著な腫瘍成長の抑制が確認されました。また、組織学的評価の結果、抗がん剤担持微小球群では、微小球付近に多くの死細胞とがん細胞を排除する役割を持つ M1 マクロファージが多く確認されました。これらの結果から、微小球と抗がん剤の相乗効果により、腫瘍成長をより抑制できたものと考えられます。

 今回、上記の研究内容が高く評価され、今大会の約400件の研究発表のなかから、38件の「ハイライト講演」として選択されました(https://lynx-dent.jp/jsb45/wp-content/uploads/2023/10/highlight_lecture.pdf)。なお、日本バイオマテリアル学会は、バイオマテリアルに特化した日本唯一の学会であり、今回で45回目を数えます。

 また、この研究は、免疫学を専門とする東京医科歯科大学・永井重徳先生との共同研究であり、明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュートの一環として実施されました。

学会名:第45回日本バイオマテリアル学会大会
開催地:神戸(神戸国際会議場)
開催日:2023116-7日(発表日:116日)
発表者:○福田龍一、 鄭 允迪、 野瀬雅人、 大嶋勇輝、 永井重徳、 相澤 守
演 題:抗がん剤を担持させたリン酸カルシウムの調製と担がんマウスを用いた抗腫瘍効果の検証
明治大学大学院