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2024年11月29日
明治大学
受賞名 : 優秀研究ポスター賞
学会名:日本バイオマテリアル学会シンポジウム2024
開催地:仙台国際センター 会議棟
開催日:2024年10月28日~10月29日
発表者:〇川中佑真・大沼恵里香・安藤靖晃・鈴木 来・相澤 守
演題:異方性制御 Sr 置換アパタイトセラミックスの作製とその in vitro 評価
理工学研究科応用化学専攻生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、生体骨や歯の無機主成分である水酸アパタイト (HAp) に注目し、人工骨などに応用可能なバイオマテリアルの基礎研究および応用研究を推進しています。
HAp は a 面および c 面という二つの結晶面を持ち、a 面 (六角形の鉛筆の側面に相当) は正に、c 面 (六角形の鉛筆の底面に相当) は負に帯電していることが知られています。特に、アパタイトの a 面は生体骨、c 面は歯のエナメル質に類似した構造を有しています。このように、HAp は「異方性」を有しています。また、生体内では骨リモデリングプロセスという骨組織の新陳代謝が行なわれており、そのプロセスにおいて、骨組織の形成に関わる「骨芽細胞」および骨組織の吸収に関わる「破骨細胞」は重要な役割を持っています。さらに、ストロンチウムは破骨細胞の活性を抑制させることで骨形成を促進します。本研究では、HApにストロンチウムを一部置換させ、a 面および c 面を多く露出した異方性を持つアパタイトセラミックス (SrHAp) を作製しました。加えて、それらのSrHApセラミックス上に骨芽細胞および破骨細胞をそれぞれ播種し、材料の異方性と細胞との関連性を明らかにしました。
今回、上記の研究成果が認められ、日本バイオマテリアル学会シンポジウム2024にて「優秀ポスター賞」を受賞しました(233件中23件が受賞)。日本バイオマテリアル学会は生体に使用する材料およびその応用に関する科学・技術を発展・向上させることを目的とした学会です。
なお、この研究は、明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュートの一環として実施されました。