理工学研究科物理学専攻博士後期課程3年の横井 駿さん(生物物理第一研究室、指導教員:光武亜代理 准教授)が令和6年(2024年)5月25日(土)~26日(日)にShimadzu Tokyo Innovation Plaza (神奈川県)にて開催された「第18回GPCR研究会」において、審査講演を経て「松尾研究奨励賞」を受賞しました。
ヒト遺伝子の約35,000種類の中でGタンパク質共役型受容体は約620種類存在し、そのうちの約100種類は未だに内因性リガンドが不明なオーファン受容体だと考えられています。Gタンパク質共役型受容体(GPCR)と内因性リガンドの解明は、未知の生命現象を解明する第一歩とされ、GPCR研究会はそれに焦点を当てた学会として2004年に発足し、毎年開催されています。「松尾研究奨励賞」は,黄体形成ホルモン放出因子(LH-RH)の構造決定に成功し、Andrew Viktor Schally 博士(米国)のノーベル医学生理学賞受賞に大きく貢献された松尾壽之先生の御業績を賞して創設された賞です。
今回の研究会で横井さんは「Structural and Computational Insights into Dynamics and Intermediate States of Orexin 2 Receptor Signaling」という演題で発表を行いました。目に見えない生体分子などの振る舞いを計算機により予測する分子シミュレーションやデータベース解析などの計算手法を用いて、睡眠・覚醒の機能に関わる生体分子であるオレキシン2受容体の活性化におけるダイナミクスや中間状態に関する新たな知見を得たことが高く評価され、「松尾研究奨励賞」の受賞となりました。