Go Forward

理工学研究科

【理工学研究科 応用化学専攻】岩間翔喜さん(生体関連材料研究室 博士前期課程1年)が第27回生体関連セラミックス討論会で学生発表賞を受賞しました

2025年12月22日
明治大学 理工学部事務室

理工学研究科応用化学専攻生体関連材料研究室(相澤 守教授)では、人工骨材料として臨床応用されている水酸アパタイト (HAp ) や β-リン酸三カルシウム (β-TCP) などバイオセラミックスの開発を行なっています。一方で、人工骨材料を開発するには、生体内での安全性を担保するため動物実験を必要としますが、動物福祉の観点から動物実験の削減が求められています。本研究では、人工骨材料開発に機械学習を活用し、新たに創製する人工骨材料の安全性や性能を予測可能な「骨形成予測モデル」を構築し、動物実験に替わる「代替動物実験法」の確立を目指しています。
本発表では、骨形成予測モデルの直接的逆解析によって算出した材料作製条件をもとに実際に材料を作製し、材料特性評価およびラット頭蓋欠損部に埋入したときの生体硬組織反応の検証を行なったところ、逆解析の予測値と実測値が標準偏差内で概ね一致し、目標とする骨形成率・生体吸収率を達成する人工骨材料の創製に成功しました。本研究で構築したモデルは、大動物のブタだけでなく小動物のラットにおいても生体内硬組織反応を予測できることが実証され、異種動物間での予測精度の一致性が確認されました。これらの知見は、機械学習を活用した新規人工骨材料開発プロセスの構築につながり、将来的には動物実験の削減を実現する「代替動物実験法」の確立が期待できます。

上記の研究結果が認められ、12月12日に香川県の高松商工会議所にて開催された第27回生体関連セラミックス討論会にて、「学生発表賞」を授与されました(対象発表17件中3件が受賞)。本学会は、生体関連材料に関するサイエンスとテクノロジーに関する研究発表形式の討論会であり、今回で27回目の開催となります。なお、この研究は、本学応用化学科データ化学工学研究室(金子弘昌教授)との共同研究であり、明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュートの一環として実施されました。

受賞名:学生発表賞
学会名:第27回生体関連セラミックス討論会
開催地:高松商工会議所
開催日:2025年12月12日
発表者:〇岩間翔喜・堀川祥汰・金子弘昌・相澤 守
演題:機械学習により構築した骨形成予測モデルの直接的逆解析による人工骨の作製と異種動物を用いた生体内反応の検証
明治大学大学院