Go Forward

1年から3年の間に履修する主な必修授業(専門)について、概要を紹介します。

心理社会研究基礎演習Ⅱ(担当 内藤 朝雄 准教授)

心理社会学科 在学生
 いじめを初めとした多くの社会問題を独自の視点から研究している内藤先生のゼミです。このゼミでは、卒論などへ向けて正しい論文の書き方を身につけるために、学生全員がそれぞれ自由なテーマを選び、一人一回小論文を書いて発表します。論文としての完成度を内藤先生がチェックし補正しつつ、全員でディスカッションします。みんなそれぞれなかなか面白いテーマについて書いてくるので、内容についての学生たちの意見交換はよく白熱します。
 ディスカッションは発表する学生が司会進行役となって進めます。全体的に学生たちの手によって作り上げていく100分であり、学生の自主性が大変尊重されているゼミです。何より雰囲気が堅苦しくないので、思ったことをしゃべることができます。先生も思ったことを話されている様子です。笑いも多い、仲の良い楽しいゼミです。先生のレクチャーが面白いです。個人的には、内藤先生の考えていることが面白いと思うのでこのゼミに入りました。他の学生も多かれ少なかれそうなのだと思います。右でも左でもないリベラリストの視点から、社会を鋭く考察する内藤先生の著書を読んでから話を聞くとさらに面白いです。
 理論の構築に強くなりたい人も、いじめ問題に関心がある人も、教育問題に関心がある人も、またニート問題に興味がある人も、リベラリストも右寄りも左寄りも宮台信者も、ゼミに入って内藤先生と話す機会を持つと色々と勉強になることが多いと思います。

現代社会学演習 (担当 宇田 和子 准教授)

心理社会学科 現代社会学専攻 在学生
 宇田ゼミでは、文献調査や夏の実習でのインタビュー調査をもとに、「森永ヒ素ミルク中毒問題」について研究しています。複数候補のあった公害・薬害に関する問題の中から、どのテーマについて研究するかをゼミ内で協議し、裁判や当該ミルク缶の発見など現在進行形で動きのあるこの問題について研究することを決めました。研究テーマの決定後は、訴訟や被害者運動、法規制の変遷や行政・企業の動向など様々な観点から文献調査、及びその内容についての反転授業を行い、同問題への理解を深めました。それを踏まえ、夏休みに行われる実習で調査をお願いする方の探索・決定や、インタビュー調査の方法の学習及びそれに向けた準備を行いました。本年度の実習は、岡山県岡山市にて実施しました。実習終了後は、同問題を公害・薬害・食品公害の文脈に位置付け、関連する文献を改めて講読し、調査や研究室に保管されている資料、その他文献などを参考に、各ゼミ生の関心のある視点からこの問題についての論文の執筆を行いました。
 宇田ゼミの特徴として、1年間を通してインタビュー調査の準備から調査、論文執筆の一連の流れを宇田先生、ゼミ生とともに行い、質的調査の基礎を実践的に学ぶことができる点が挙げられます。私自身、初めての本格的なインタビュー調査で、始めは不安もありましたが、先生や他のゼミ生に相談したり、話し合ったりしながら調査を進め、年度末に論文という形に仕上がった時には達成感を感じました。宇田先生がゼミ生同士で議論や質問しあう機会を多く設けてくださるため、自分では発見できなかったことや見落としていたことに気づき、視野や知見を広げることができる点も、宇田ゼミの良いところです。この1年間で培った学びは、卒業論文の執筆にも生きると思います。